今回、ベネッセからの情報流出がすぐに特定されたのは、自分の個人情報を提供先企業別に微妙にアイデンティファイし、追跡できるようにしていた管理意識の高い顧客がベネッセに多かったからだ。ある種の「すかし」の入った個人情報で広告などが送られてくれば、それがどこに提供した自分の情報であったか、一目でわかる。
ベネッセは、長年の地道な努力で、25年をかけて、少しずつ顧客を増やしてきた。ママ友仲間の評判やクチコミ、その成果と信用が、あれだけの大量の個人情報だ。ベネッセの顧客はそれをよく知っているから、ジャストシステムに怒っているのだ。それを、簡単にカネで買える、と思っているジャストシステムは、経営の根本が間違っている。電話がつながらない、云々で逃げようとしても、今回の事件が大問題であることに気がついていないわけがあるまい。謝罪するなら、ベネッセよりジャストシステムの方が先に決まっている。こんな広告を送りつけてきて、なにが「スマイルゼミ」だ。まったく笑えない。いや、へらへらとスマイルだなんて、バカにされているようで、余計に腹立たしい。
今回の一件の事実関係がはっきりするまで、学校や官公庁は、ジャストシステムからのいっさいの物品購入は、ただちに完全凍結するのが当然だ。一般顧客においても、自分の個人情報を守るために、ジャストシステムの商品の購入、および、ユーザー登録は控えた方がいい。くわえて、顧客は、どこでも個人情報を提供する際には、情報に「すかし」を入れて、自分を守ろう。仕組みは簡単。部屋番号の前に、AだのBだのの英字を書き加えるとか、一軒家でも、それらしい部屋番号を付けてしまうとか。
新聞やテレビ、ネットまで、ジャストシステムが大手スポンサーということで、いまだに今回の一件に口をつぐんでいるが(10日朝8時の時点)、謝罪するなら、ベネッセ以上にジャストシステムだ。どこから入手したかも怪しいような情報で広告を送りつけてくる企業は、いまの時代には、もはや存在そのものが社会的に許されるものではない。頭を下げただけで済むと思うな。情報漏洩させてしまった側の三菱UFJ証券は1万円のギフト券だったそうだが、今回は情報を盗んだ側なのだから、「お詫び」は、当然、もっと高額になるだろう。送り先の住所は知っての通り。ほら、みんな待ってるぞ。ズルは、結局、高くつくことを思い知れ。