「最新中国ネット事情」

アリババがネット帝国になったワケ

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2014年7月14日(月)

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 米ニューヨーク証券取引所に上場する予定の中国のアリババ集団は、ネット企業で史上最大の新規株式公開(IPO)になるだろうと伝えられている。同社の上場申請書で開示された経営情報は、米国系ネット大手のフェイスブック、アマゾン・ドット・コム、イーベイなどの実績を凌駕しているだけでなく、同じく中国のネット大手である騰訊(テンセント)、百度(バイドゥ)の経営パフォーマンスをも上回っている。グローバルな投資家やメディアの注目を集めるのは当然であろう。

 ただ、中国国内では、今年に入ってアリババが引き金を引いたことで爆発的な成長を見せたネット金融の是非を巡り、中央銀行、金融監督官庁、国民全体を巻き込んだ大論争に発展している。

 また、スマートフォンを活用したタクシー配車の普及でアリババと騰訊の間で展開された「過当競争」や、年配者がタクシーを呼べないという「スマートデバイス」問題も社会的な話題となった。実際、アリババの行動は、1つの業界でのビジネス話にとどまらず、経済社会システムの地殻変動を引き起こして、経済社会のあり方を再定義させようとしている。

 恐らく、アリババが創業15年足らずで一大ネット帝国になった理由を、誰もが知りたいに違いない。

EC(電子商取引)企業にとどまらないアリババの「正体」

 確かにアリババは、オンラインショッピングビジネスを中心とする在来分野に安住していない。金融、娯楽、伝統流通・物流業、通信業、タクシー配車などの分野にも手を広げ、ネット通販ビジネスでのサクセスストーリーを何度も再現しようとしている。アリババがニューヨーク証券取引所で新規上場させようとしている「アリババ集団」の業務はオンラインショッピングに限られ、アリババのすべての事業というわけではない事実を正しく理解する必要がある。

 図表1が示すように、アリババは3つの事業ブロックから構成されている。起業以来の事業ブロックは、アリババドットコム(B2B)、タオバオ(C2C)、Tモール(B2C)などのEC関連事業であり、今回IPOの業務内容となる。これらの事業(中国内外を問わず)を直接的・間接的に統括しているのが、英領ケイマン諸島に登記されている”Alibaba Group Holding limited”(「アリババ集団」という)であり、これがIPO申請企業となる。

図表1 アリババの3事業ブロック
出所:著者作成

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