<スゴ技Q 美と健康に! みそ汁の極意>
専門家ゲスト:上原誉志夫さん(共立女子大学 家政学部 教授)
ゲスト:辺見えみりさん(女優)、玉ちゃんさん(タレント)
リポーター:宮下純一さん(タレント・元水泳選手)
<【番組冒頭】学校生活の味方!?“就学援助”>
リポーター:瀬田宙大アナウンサー
和食に欠かせない「みそ汁」。でも、街で聞くと「今ひとつ味が決まらない」「具がマンネリ」「塩分が気になる」など、さまざまなお悩みがあるようです。そこで、今回もスゴ技を持つ達人が登場!「“粉がつお”を“あるタイミング”で加えて、家庭のみそ汁を日本料理店の本格みそ汁の味にワンランクアップさせる技」、「”ある法則“で、朝と夜のみそ汁の具とみそを選ぶことで、健康な体作りに役立てる技」、女優の佐藤江梨子さんが、ダイエットと冷え性改善のためにと、毎日のみそ汁に加えるトッピングの技、そして、江戸時代の知恵に学ぶ「おいしいだしのとり方」など、日々のみそ汁をパワーアップさせる技を紹介しました。
「体型を維持するのにみそ汁が役立っている」と言うのは、女優の佐藤江梨子さんです。撮影などで出される弁当を食べるときも、みそ汁を欠かさず飲むように心がけています。温かいみそ汁だけでも、ローカロリーでダイエットに役立つと感じていますが、「とろろ昆布」をトッピングすることで、汗をかくほど代謝がよくなったと言います。さらに、食物繊維たっぷりのとろろ昆布は、腹持ちもよく、便秘解消にも効果を発揮しているのではないかとサトエリさんは考えています。
その効果について、みそ汁について研究している内科医で大学教授の上原誉志夫さんによると、みそ自体の成分や昆布に含まれる食物繊維の一種「アルギン酸」に、皮膚の血管を拡張させる働きが期待できるので、体温がアップしたと考えられると言います。また、満腹感と便秘解消については、とろろ昆布の食物繊維の働きによるものと考えられるそうです。
みそ汁+とろろ昆布
(1)体が温まる
(2)満腹感
(3)便秘解消
<取材協力>
佐藤江梨子さん(女優)
上原誉志夫さん(共立女子大学 家政学部 教授、内科医)
家庭のみそ汁をプロの味に変える方法を日本料理店の調理長、榎本洋右さんが伝授しました。
簡単に香りとうまみを足すために、榎本さんが勧めるのが、「粉がつお」です。だし入りみそや顆粒(かりゅう)だしを使った家庭のみそ汁に粉がつおを足すと、本格みそ汁の味に近づきます。大切なのは、粉がつおを加えるタイミング。みそ汁をよそう前のおわんの中に入れます。そうすると、粉がつおがみそ汁と十分に混ざり、うまみが引き出されると言います。
【材料・4人分】
・水・・・600ミリリットル
・顆粒だし・・・5グラム
・だし入りみそ・・・40グラム
・しょうゆ、酒、みりん・・・各適量
・絹ごし豆腐・・・1丁
・油揚げ・・・1枚
・のり、細ねぎ・・・適量
・粉がつお・・・適量(小さじ1が目安)
【作り方】
さらに、みそ汁の味が今ひとつ決まらない、というときに榎本さんオススメな方法があります。
(1)味を引き締めたいとき・・・豆板醤(トウバンジャン)を、みそと一緒に少量加える。
(2)香りを足したいとき・・・カレー粉を、粉がつおと一緒にひとつまみおわんに入れる。
(3)コクを出したいとき・・・生クリームを、最後に2~3グラム入れる。コーヒーミルクでも代用可能。
<取材協力>
榎本洋右さん(日本料理店 調理長)
「日本橋 なだ万」
住所:東京都中央区日本橋室町1-4-1 日本橋三越本店新館10階
去年、中国大会に出場した、島根県のある中学校の野球部。そのパワーの源は、猛練習と毎日飲むみそ汁にあります。
監督から依頼され、5年前から野球部にみそ汁を飲むよう指導してきたのが、大学教授で管理栄養士の川口美喜子さんです。当時、部員たちの食事を調査したところ、朝はパンやおにぎりなどで済ませる生徒が多く見られました。そこで、部員や保護者への食事指導の会を開催し、朝食と夕食にみそ汁を取り入れることが体づくりにつながることを説明してきました。温かいみそ汁は、胃腸の働きを良くし、さらに、発酵食品のみそによって腸内環境を整えることが期待できるので、食欲が増し、体力がつくと考えられます。さらに、汗をかいて失われるナトリウム、カリウム、水分を、朝夕のみそ汁でも補えるのでバテにくくなると言います。
みそ汁について、川口さんが勧めているのは、朝と夜、それぞれ異なった「法則」に基づいて、みそ汁の具とみそを選ぶことです。
まず、朝の「法則」は、炭水化物を多く含む食材を選ぶことです。炭水化物を摂取すると、すぐに血糖に変化するため、体や脳の働きが活発になり、体温が上がりやすくなります。
夜のみそ汁にはたんぱく質を多く含む食材を選ぶのが川口さんのオススメです。運動して壊れた筋肉を修復するためです。さらに、ビタミン、ミネラルも加えると、さらに効果アップ!1日のなかで使ったビタミンやミネラルを補給することで、次の日にむけて体調を整える働きがあるためです。
【材料・1人分】
・だし・・・100~150ミリリットル
・じゃがいも・・・50グラム
・たまねぎ・・・30グラム
・麦みそ・・・10グラム
【作り方】
【材料・1人分】
・だし・・・100~150ミリリットル
・鶏もも肉・・・30グラム
・にんじん・・・15グラム
・小松菜・・・40グラム
・豆みそ・・・8グラム
【作り方】
<取材協力>
川口美喜子さん(大妻女子大学 家政学部 教授)
著書:「がん専任栄養士が患者さんの声を聞いてつくった73の食事レシピ」(医学書院)
松尾潤一さん(松江市立小中一貫校八束学園 野球部監督)
国立劇場の中にあるレストランでは、歌舞伎の演目にあわせて、18年前から江戸時代の料理を再現した弁当を出しています。
3月は、「處女翫浮名横櫛(むすめごのみうきなのよこぐし)-切られお富-」の舞台、駿河國(するがのくに)(現在の静岡県)にちなんで、特産で旬の鯛(たい)を弁当とみそ汁に取り入れました。
弁当を監修しているのは、江戸時代の料理書を40年にわたり研究している松下幸子さんです。今回の弁当のみそ汁は、江戸時代初期の「料理塩梅(あんばい)集」をもとに再現しました。
料理塩梅集のみそ汁の項には、今に通じる、みそ汁をおいしくするためのコツがたくさん書かれています。たとえば、赤みそや白みそを合わせて使うこと、香りづけにさんしょうの粉を使うこと、そして、だしを上手にとる方法などが書かれています。
中でも、松下幸子さんが興味深く思っているのが、「だし袋」を使っていること。料理塩梅集には、「だし袋のよさは、うまみが足りないときは入れたままし、十分だしが出たらすぐに取り出せること」とあります。さらに、だし袋に入れるかつお節の量の目安まで示されています。それは、袋いっぱいに入れないこと。「袋の中がゆったりとしていると、だしがよく出る」とあります。
そこで、静岡県焼津(やいづ)市のかつお節製造会社で、かつお節の量を一定にし、入れるといっぱいになる小さな袋と、半分ぐらいになる大きな袋に詰め、同量の湯で1分間煮出して、うまみの濃度がどれだけ異なるか、実験しました。その結果、大きい袋のほうが1.6倍以上のだしが出ていることがわかりました。
開発室の神尾尚子さんによると、袋の中に少なめに入っていると、湯の対流がだし袋の中で起こり、かつお節が動いて、よくだしが出るためと考えられます。
<取材協力>
木本幸克さん(国立劇場「十八番」総料理長)
住所:東京都千代田区隼町4-1 国立劇場2階
松下幸子さん(千葉大学 名誉教授)
著書:「江戸の献立」(新潮社)、「江戸料理読本」(筑摩書房)ほか
神尾尚子さん(株式会社新丸正 開発室)
宮下さんが出題した、江戸時代の台所を再現した民家
世田谷区 次大夫堀公園
<国立劇場3月歌舞伎公演情報>
公演期間:2014年3月3日(月)~2014年3月26日(水) ※10日・11日は休演
演目:「菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)-車引-」
「處女翫浮名横櫛(むすめごのみうきなのよこぐし)-切られお富-」
料金:1,500~9,200円(各種割引あり)
場所:東京都千代田区隼町4-1 国立劇場
「義務教育は無償」とうたわれながら、ランドセル、体操服、制服、学用品、給食費・・・と、子どもの学校生活には何かとお金がかかります。家計が厳しい子どもたちのために用意されている制度が「就学援助制度」です。近年の厳しい経済や雇用の状況から、就学援助を利用する子どもの割合は増え続け、15.6%(約155万人)にも及んでいます。
しかし、対象となる世帯の基準や支給される内容は、自治体によってバラバラ。クラブ活動費、卒業アルバム代、メガネ代などが支給される自治体もあれば、まったく支給されない治体も。そもそも制度自体が、広く知られていない地域もあります。何かとお金のかかる年度末、就学援助を利用するご家庭の中学入学準備に密着し、就学援助制度のメリットと課題について考えました。
・憲法26条「すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする」、学校教育法19条「経済的理由によつて、就学困難と認められる学齢児童又は学齢生徒の保護者に対しては、市町村は、必要な援助を与えなければならない」とされています。これらに基づき、就学援助制度は、義務教育諸学校の教育を保障するため、市町村が小・中学生のいる家庭に学用品費や入学準備金、通学費、修学旅行費、給食費、医療費などを援助する制度です。市町村に実施義務があり、国が学校の設置者である市町村に補助するというものです。ただし、国として統一した制度の定めがありません。
※ご自身が受給の対象となるかどうかや、制度の詳しい内容・基準・手続きの方法などについては、お住まいの市町村にお問い合わせください。