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パイロット志望の若者が急増
7月13日 18時58分

パイロット志望の若者が急増
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パイロット不足が深刻化するなか、将来の進路としてパイロットを志望する若者が増えています。
パイロット養成コースを設けている私立大学の入学説明会には、去年の2倍から3倍の高校生などが詰めかけています。

全国の私立大学のうち、パイロットを養成するコースを設けている大学は5校あり、このうち東海大学が13日、東京で開いた入学説明会には高校生やその親などおよそ300人が参加しました。
大学によりますと、説明会への参加を申し込んだ人はおよそ500人と去年の2倍に上り、急きょ来月も説明会を行うことを決めたということです。
説明会に参加した高校3年生の男子生徒は「パイロットが足りないということなので、なんとか入学してパイロットになりたい」と話していました。
東海大学工学部航空宇宙学科航空操縦学専攻の利根川豊教授は「パイロット不足が取り沙汰されているので、今がパイロットになれるチャンスだと考える若者が多いのではないか」と話していました。
また、子どもと共に説明会に出席した父親は「私自身がパイロットに憧れていた。自分がかなえられなかった夢を息子が追いかけている」と話していました。
パイロット養成コースを設けているほかの大学でも、ことし開いた入学説明会にはいずれも去年の2倍から3倍の人が集まったということです。

パイロット不足の現状は

国土交通省によりますと、LCC=格安航空会社の誕生や羽田空港の国際化などで日本の空の便の需要は今後、一層高まることが予想され、毎年、新たに200人から300人のパイロットが必要になるとしてます。
一方で、国内ではLCCのピーチ・アビエーションが、パイロットが不足しているとしてことし5月以降、合わせて2000便を超える便の運休を決めるなど、運航への影響が広がっています。
さらに主な航空会社では、2030年ごろにパイロットが大量に定年退職を迎えることから、航空業界では「2030年問題」と呼んでパイロットの確保が大きな課題となっています。

志望者急増の背景は

志望者が急増している背景には、パイロット不足が深刻化するなか、パイロットの資格を取得すれば就職に有利だと考える若者が増えていることがあるとみられます。
さらに親が子どものころに実現できなかった夢を子どもに託したいという思いもあるとみられます。
教育関連のIT企業、「トップアスリート」が先月、全国の中学生と高校生およそ7万人を対象に行った「将来就きたい職業」の調査でパイロットは89位。
しかし、その親の世代が子どもだったころの昭和45年の新聞記事によりますと、「パイロット」は男の子が「なりたい職業」の4位でした。
飛行機での旅行がまだ一般的ではなかった当時、パイロットはプロ野球選手などと並んで花形の職業でした。
子どもをパイロットとして働かせたいという親たちの思いも、パイロットの志望者の増加を後押ししている背景にあるのではないかとみられます。

「高い学費」が大きなハードルに

パイロット不足などを背景にパイロットになりたいという若者が増えていますが、誰でもパイロットになれるわけではありません。
大きなハードルの1つが高い学費です。
パイロット養成コースを設けている私立大学の学費は、4年間で1400万円から2600万円ほどかかります。
国土交通省は、パイロット不足に対応するため学生向けの奨学金を創設できないか検討しているということです。

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