米国防省傘下の国防高等研究計画局(DARPA)はこのたび、ターゲットに向かって自ら軌道を変えながら進んでゆく弾丸「EXACTO(Extreme Accuracy Tasked Ordnance, イグザクト)」の実射テストに成功したと発表しました。
この弾丸は、米国の民間軍事企業Teledyne Scientific & Imaging社が、政府から2500万ドル(約25億円)の出資を受けて開発したもの。弾丸サイズはスナイパーライフルなどに使われる50口径用となっており、DARPAのリリースでも開発目的について “to revolutionize rifle accuracy and range(ライフルの射撃精度及び距離を革新をもたらするため)” とあります。
今回公開されたテストの映像は、今年2月と4月に行われたEXACTOの実射テストの様子を撮影したもので、最初のテストでは所定の性能を示していないものの、二度目のテストでは弾丸が軌道を変えながら目標に着弾する様子が見事にとらえられています。
以下の画像は、4月に行われたテストの様子。EXACTO弾を込めたライフルで、本来のターゲット(緑丸)から横にズレた位置に狙い(赤丸)を定めます。赤線は、狙ったポイントへの予測軌道。
発射。中央の白い輝点がEXACTO弾です。途中までは赤線の予測軌道通りに放物線を描いて進んでいきますが…。
着弾直前にクイッと軌道を曲げて、本来のターゲット(緑丸)に命中します。うーん、何度見ても不思議な光景。。
以下の写真は、DARPAのウェブサイトで公開されているEXACTO弾のイメージ図。誘導方式や着弾補正が可能な範囲、対応火器などの詳細については一切発表されていませんが、トマホークミサイルなどで使用されている誘導システムと同様、何らかの電波もしくはレーザーを用いて着弾点を指定しているものと思われます。
Exacto弾のCG図。実際には、軌道変更のための推進器がどこかに付いている(はず)。
なんだか「ヘルシング」のような漫画の世界から抜け出てきたような感のあるこの “魔弾” ですが、Wikipediaによると、2015年にも実戦投入される見込みであるとのことです。なんだか、かつて映画の中で描かれていたような「未来の戦争」が、現実のものとなりつつあるのを感じますね…。
[DARPA via Slashgear] [The Independent]
推進器付けるより戦車のAPFSDSを可変翼にした感じじゃないかなぁ
イメージ図だとそんなの見当たらないけどw
違う方向に二段階で進路変えてるからなあ…気流制御だけでそんなにクイックイッと曲がれるもんなんだろうか。
通常弾と同じだとライフリングでまともな制御なんて成り立たないから
安定翼必須だろうし、その方が効率的かな、と。
推進剤の燃焼制御なんて小型化に限界あるだろうし。