大分・国東市:公募図書館長が誕生 「住みたいほど好き」

毎日新聞 2014年07月13日 17時21分

大分県内初の公募で国東市図書館長に就任した内丸さん
大分県内初の公募で国東市図書館長に就任した内丸さん

 ◇32〜67歳、県内外の22人が応募

 大分県国東市が全国から公募していた国東市図書館長が決まった。就任したのは元大分市職員の内丸紀子さん(62)。県内初の公募による図書館長となる。【大島透】

 4町が合併して成立した同市は、旧町内4図書館を統括する図書館長を4月から公募していた。学歴、年齢、性別、司書資格の有無は問わないが、任期中は市内に住むことが条件。京都や福岡など県外者3人を含む32歳から67歳までの22人(うち女性3人)が応募した。小論文、面接などで選考し、結局は司書資格を持ち、大分市職員として図書館に15年間の勤務経験のある内丸さんに決まった。

 昨春、同市を定年退職した後、市嘱託職員だった内丸さん。1日の記者会見で「子供時代からの図書館好きで、旅先でも図書館巡りは欠かせない。図書館に住みたいくらい好き。約15年前、安岐町(当時)の総合計画作成に関わった大学教員の夫から『国東市は住みやすい所だから挑戦してみては』と背中を押され、決断しました」と語った。

 国東市図書館の課題を「過疎地のうえ、子供や高齢者を図書館へ運ぶ公共交通機関がないこと」と指摘し、対策として「定年退職した人たちのボランティアを募り、図書館へ車で彼らを送迎してもらう組織を作りたい」と抱負を述べた。

 さらに高齢者に対しては「英国の図書館で成果を上げている『回想法』を取り入れたい。懐かしい本やメンコ、おはじきなど約10点を箱に入れて、まとめて貸し出す。本に限らず、懐かしい品物に触れることで脳を活性化できる」と語った。

 内丸さんの任期は来年3月までで、最長5年間の任用延長ができる。

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