ジェンダー/ジェンダーフリー、およびバッシング関連年表

                              イダヒロユキ 作成

 

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1980年代前半 

各地で男女混合組体操、男女混合名簿、卒業式の着席の男女混合、呼称の「さん」呼びなどの試み

シュルロ&O.チボー『女性とは何か』(人文書院1983年)でジェンダー概念説明。

1985 

男女雇用機会均等法制定。女性差別撤廃条約批准。

96大学・短大で女性学関連の166講座が開講。この時期あたりから増えていく。

1987

「西暦2000年に向けての新国内行動計画」策定。

1989

江原由美子・他編『ジェンダーの社会学』出版。5

混合名簿や男女合同の体育実践を推奨する東京都「東京都男女平等教育推進委員会」スタート。

国立婦人教育会館NWECで開催された国際シンポジウムでデルフィ氏がジェンダー概念提起。11

 

1990

行動する女たちの会編『さよならボーイファースト:男女別出席簿を考える』出版

尹貞玉氏が来日して、日本軍性奴隷(従軍慰安婦)問題提起。以降、この問題が活発に議論されていく

和歌山県田辺市での有害コミックの追放運動などを契機として、各都道府県の青少年保護育成条例によるコミックの有害図書指定が急速に増加する。(1112月)

ジェンダー概念を積極的に展開した、女性学研究会編『ジェンダーと性差別(女性学研究第1号)』出版。11

1991

『広辞苑』第4版に「ジェンダー」が登場。

伏見憲明『プライベート・ゲイ・ライフ』(ジェンダー概念も入っている)出版。

金学順さんが「慰安婦」被害者であると名乗り出る。

 

1992 

教科書も使った文部省公認の性教育スタート。

婦人問題担当大臣任命

ジョーン・スコット『ジェンダーと歴史学』、アンソニー・ギデンズ『社会学』(ジェンダー概念を説明)邦訳出版。

日本政府、「従軍慰安婦」問題で軍の関与や強制性を認め、正式に謝罪。

1993 

ロバート・コンネル『ジェンダーと権力』邦訳出版

中学で家庭科男女共修制度スタート。

パートタイム労働法成立。

「従軍慰安婦」について河野洋平内閣官房長官談話発表(8月)

 

1994 

龍谷大学、「女性学」を「ジェンダー論」と改称。(以降、各大学の女性学がジェンダー論に名称変更されていく)

高校で家庭科男女共修制度スタート

男女共同参画推進本部、男女共同参画審議会、総理府男女共同参画室設置

放送大学で「ジェンダーの社会学」が開講。

カイロでの国際人口開発会議、「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」概念提起

原ひろ子・大沢真理・他編『ジェンダー』出版。9

愛知淑徳大学ジェンダー・女性学研究所、開設。

 

1995 

育児介護休業法成立、ILO156号条約批准

北京で第4回世界女性会議。「ジェンダー」を多用した宣言と行動綱領採択。日本政府も北京行動綱領を受け入れる。

東京女性財団がジェンダーフリー教育のビデオやジェンダー・チェックの冊子、「ジェンダー・フリー――若い世代の教師のために:あなたのクラスはジェンダー・フリー?」冊子作成。東京女性財団編・刊行『ジェンダー・フリーな教育のために』(報告書)発行。

愛知淑徳大学ジェンダー・女性学研究所が「教育におけるジェンダーの視点」シンポジウム開催。

「女性のためのアジア平和国民基金」発足(7月)

東京都青少年健全育成条例に「淫行処罰規定」を新設する動きが始まる。

東京女性財団が運営する「東京ウィメンズプラザ」開館。11

 

1996 

『産経新聞』が「教科書が教えない歴史」連載開始(1月)

法制審議会民法部会、選択的夫婦別姓を含む民法改正要綱を答申。

お茶水女子大の「女性文化研究センター」が「ジェンダー研究センター」に改称。5

中学社会科の教科書に「従軍慰安婦」が記述される(6月)

「明るい日本・国会議員連盟」が教科書の「慰安婦」や南京大虐殺に関する記述を攻撃、削除を要求。

国立婦人教育会館NWECが「女性学講座」を「女性学・ジェンダー研究フォーラム」と改称。8

夫婦別姓を批判する八木 秀次 ・宮崎 哲弥編『夫婦別姓大論破!』出版。10

政府の「男女共同参画2000年プラン」の中で「ジェンダーに敏感な視点」という文言。12

1997

「新しい歴史教科書を作る会」結成。1

「歴史教育議連」(日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会、代表、中川昭一、事務局長、安倍晋三、2004年から名称から「若手」を削除)が結成され、「明るい日本・国会議員連盟」の教科書の「慰安婦」や南京大虐殺に関する記述を攻撃する運動を継承。(2月)

「日本を守る国民会議」(黛敏郎議長)と宗教組織「日本を守る会」が合体した、改憲・翼賛の右翼組織「日本会議」発足(5月)

「日本会議」をバックアップする目的の「日本会議議連」が発足(5月)

「日本ジェンダー学会」設立。9

日本教育社会学会機関誌『教育社会学研究』で特集テーマ「教育におけるジェンダー」

国立婦人教育会館編『女性学教育/学習ハンドブック――ジェンダーフリーな社会をめざして』出版(ジェンダーフリーはキーワードとして挿入される)。11

都議会で土屋議員が東京都の女性政策を批判。

1998 

都議会で「東京女性財団」批判。

フェミニズム批判本、林道義氏『主婦の復権』出版。4

1999 

男女共同参画社会基本法、全会一致で採択。公布・施行

均等法改正・施行、児童買春・児童ポルノ処罰法公布・施行

改正男女雇用機会均等法施行。児童買春・ポルノ禁止法施行。

雑誌『諸君!』『正論』などでフェミニズム批判が増えはじめる。

国旗・国歌法が成立。8

林道義氏『フェミニズムの害毒』出版。8

石原慎太郎氏が都知事に就任。

「教育再生地方議員百人と市民の会」設立。

2000  

2000年ごろ 大相撲春場所の知事賞授与を「土俵の上で」 と要望したものの、日本相撲協会は「女人禁制」の伝統を盾に拒否した。

男女共同参画基本計画策定、児童虐待防止法公布・施行、ストーカー規正法公布施行

三重県の男女共同参画条例制定に対してバッシング。

東京都で、「東京女性財団」廃止の提案。

東京都議会で民主党の土屋たかゆき議員が東京女性財団作成の『ジェンダー・チェック』を不適切と批判。2

東京都・男女共同参画条例制定において、前文に「男女がたがいにその違いを認めつつ」を挿入。3

図書資料室の蔵書からジェンダーフリー関係排除始まる。

日本学術会議で「ジェンダー問題の多角的検討特別委員会」設置。

中学歴史教科書で「従軍」の文字が抜け「慰安婦」のみに。4

「つくる会」支部が47都道府県に結成。

「男女共同参画基本計画」で「ジェンダー」使用。

ストーカー行為規正法、児童虐待防止法成立。

「日本語ジェンダー学会」設立。(秋)

日本学術会議社会学研究連絡委員会・主催で「日本の学術とジェンダー」シンポ開催。

「女性国際戦犯法廷」東京で開催。12

2001 

内閣府に男女共同参画会議および男女共同参画局設置

男女共同参画週間 はじめる 62329

女性国際戦犯法廷と旧日本軍の「慰安婦」問題を扱おうとしたNHKのETV2001「戦争をどう裁くか」(とくに第2夜「問われる戦時性暴力」)が放送直前に大幅改ざん。「歴史教育議連」の中川昭一、安倍晋三が関与。(1月)

DV防止法成立。

母子衛生研究会(厚生労働省所管)の『思春期のためのラブ&ボディBook』配布。

文部科学省科学研究費の細目で「ジェンダー」導入。

「最終目標は『家族解体』だった! フェミニズムの思想を基にした国家解体、家族解体が男女共同参画の実態だ!!」などと書かれた『日本時事評論 号外』発行。5月

「男女共同参画法という名のカルト」などという八木秀次編『誰が教育を滅ぼしたか』出版。5月

日本マス・コミュニケーション学会大会で「21世紀のメディアをジェンダーの視点から拓く」のシンポ。6

静岡県の「男女共同参画条例」制定に対してバッシング。

文部科学省、「つくる会」の歴史・公民教科書を検定合格。東京都立養護学校などで採用。

「千代田区男女共同参画センター」で松井やより氏の講座が予定されていたが右翼の圧力で中止。8

「日本会議」選択的夫婦別姓反対署名運動開始。9

「日本女性の会」(日本会議系組織)結成(山谷えり子、西川京子、高市早苗氏らが副会長)。

9

山谷えり子氏が衆議院文部科学委員会で性教育・性の自己決定権を批判。1031

『世界日報』で山谷えり子氏が夫婦別姓問題で「通称使用拡大で十分」と発言。

石原都知事「ババア」発言(1023日、東京都の「少子化と東京の福祉」会議で「この間すごい話をしたんだ、松井さんが。私はひざを叩いてそのとおりだと。女性がいるからいえないけど」、と発言。116日発売の『週刊女性』で「松井孝典がいってるんだけど、“文明がもたらしたもっとも悪しき有害なものはババァ”なんだそうだ。“女性が生殖能力を失っても生きているってのは、ムダで罪です”って。・・・なるほどとはおもうけど、政治家としてはいえないわね(笑い)」と)

「台東区女性センター」での辛淑玉(シンスゴ)氏の講演が右翼の圧力で中止。12

 

2002 

(この年あたりからジェンダーフリー攻撃が加速化される。)

民主党内に発足した「夫婦別姓を考える会」に山谷氏が参加

日本女性学習財団作成のパンフレット『新子育て支援――未来を育てる基本のき』発行。3

文部科学省、小・中学校に「心のノート」配布。

『新子育て支援――未来を育てる基本のき』や『思春期のためのラブ&ボディBook』を批判するなど、国会で山谷えり子氏を中心に性教育批判が相次ぐ。4月、5

『産経新聞』が「行き過ぎ性差解消、日本人の美意識否定」とトップ記事で報道。

「三重県いのちを尊重する会」が三重県教育長に『思春期のためのラブ&ボディBook』を使うなと主張。(5月)そのほか各地でも冊子への批判陳情。

「行き過ぎたジェンダーフリー教育や性教育から子ども守る」という「健全な教育を考える会」発足。民主党国会議員78人、山谷えり子氏が代表幹事。627

山梨県都留市で「夫婦別姓反対決議」6

山口県宇部市、『産経新聞』などからモデル条例と賞賛される内容を包含した男女共同参画条例制定。6

決算行政監視委員会第一分科会議で、宇部市の条例を上げ、夫婦別姓を批判。「生徒生殖に関する権利」(リプロ)は世界的一致を見るに至っていないと批判。722

豊中市など各地方議会でも、宇部市の条例を賞賛したりジェンダーフリー関連の図書を廃棄せよといった、バッシング。

豊中市では、バックラッシュ派の人がジェンダーフリー批判の会のために男女共同参画センターの目的使用(男女共同参画推進のための使用)を要求。それを通じて豊中市に圧力。バックラッシュ派のチラシ配布。

大阪府、滋賀県、千葉県などで男女共同参画条例制定に関してバッシング。大阪で前文に「男女が、互いの違いを認め合い」を挿入。

『思春期のためのラブ&ボディBook』絶版と在庫回収、決定。8

日本心理学会大会で「フェミニズム心理学をめざして」が開催され、その後日本心理学会内に「ジェンダー研究会」が設立される。9

「日本スポーツとジェンダー研究会」発足。

日本女性の会の1周年集会で、ジェンダーフリー教育に反対することを確認。10

山谷えり子氏が、青少年特別委員会で松戸市の「ふりーせる保育」(ジェンダーフリーと子どもの権利条約を基にしている)を批判( 11月)

福田康夫官房長官が参院内閣委員会で、結果の平等でなく機会の平等が目標と答弁。坂東真理子・男女共同参画局長が「ジェンダーフリーという言葉は国連も日本の法令も使っていない」と答弁。(11月)

内閣府「政府が目指す男女共同参画社会は性差を否定するものではない」と自治体に通知

高橋史朗・土屋たかゆき氏などバックラッシュ派が集まって書いた、八木秀次編『教育黒書』出版。(11月)

山谷えり子氏、民主党を離党して保守新党に参加。12

東京女性財団、解散。(12月)

『産経新聞』「米国で禁欲主義教育広がる」という記事や性教育批判連載記事掲載。(12月)

東京都、「児童生徒の発達段階を踏まえた性教育を」との指導。(12月)

石原都知事のババァ差別発言に対して、131人の女性たちが提訴、発言の撤回と謝罪による名誉の回復と損害賠償を求める(12月)

 

2003 

国際勝共連合、運動方針(『思想新聞』)に性教育と男女共同参画批判。1

『週刊新潮』、ジェンダーフリー教育・性教育批判記事。1

『産経新聞』性教育バッシング・キャンペーン。2

山谷えり子氏が国会で、固定的性役割を助長する表現を使わないようにと書かれた岡山県新見市などの条例を「表現の自由の侵害」とし、責任者を国会に参考人招致すべきと発言。

日本の家庭を守る地方議員の会主催「ぶっとばせ!ジェンダーフリー 〜男女共生・児童の権利の政治的歪曲を許さない緊急集会」(高橋史朗・山谷えり子講演)2月。

千葉県の男女共同参画条例が反対にあって廃案。2月

日本女性学会・男女共同参画をめぐる論点研究会、「Q&A――男女共同参画をめぐる現在の論点」パンフ、発行。3

秋田県が公文書でジェンダーフリーという表現を使わないことを決定。3

新潟県の小学校(白根市立茨曽根(いばらそね)小学校)で長谷川清長校長が「男女混合名簿はマルクス主義フェミニズムに基づいており、思想教育につながる」として男女別名簿に変更。4月

「国際女性学会」が「国際ジェンダー学会」に改称。4

東京都青少年センター企画講座「“性”がわかればステキな恋愛もデキル! 正しい性の知識を持とう」がバックラッシュ電話で中止。5

山谷氏が内閣委員会の少子化社会対策基本法審議で、リプロダクティブ・ヘルス・ライツや性教育を否定 528

日本女性学会大会シンポジウム「『男女共同参画社会』をめぐる論点と展望」開催。6

東京都・石原都知事が施政方針演説でジェンダーフリー論を極端でグロテスクで反対していくと批判。6

山谷氏が予算委員会で、「行き過ぎた性教育」について全国調査を求める。718

日本心理学会大会に「ジェンダー・フェミニズム」発表部門創設。

「男女共同参画とジェンダーフリーを考える会」発行のフェミニズム批判パンフ『あぶない!「男女共同参画条例」――あなたの町の子供と家庭を守ろう』発行。7

日本会議発行『教育基本法の改正を』パンフ(ジェンダーフリー批判あり)発行。7

『読売』社説「男女共同参画 ジェンダーフリーの“呪縛”を解け」03723

東京都議会で、ジェンダーバッシング発言が相次いだあと(2月、6月、7月)、東京都教育委員会が都立七生養護学校などで「不適切な性教育」を調査(7月)、教員を大量処分。(9月)

衆議院予算委員会で山谷えり子氏が性教育バッシング。小泉首相も賛同。7月。

福岡市で「男女共同参画は性犯罪助長」という文言が入った誹謗ポスター。7

鹿児島県議会で「ジェンダーフリー教育」への反対陳情採択。7

それに対し、陳情の前提となった情報に根拠がないことを明らかにした『南日本新聞』(85日)記事。

バックラッシュ議員の質問を受けて、石川県議会で県民文化局長がジェンダーフリーの使用は控えると答弁。9

東京都、君が代斉唱のときに起立しない教職員を処分する方針決定。10

東京都荒川区長(後日汚職で逮捕、辞職)が、議会でバックラッシュ発言をし、林道義氏などバックラッシュ派の論客を条例案策定の懇談会委員に任命。10月

石川県議会、徳島県議会などがバックラッシュ的な決議や請願採択。

宮崎県都城市、性的少数派の人権尊重をうたう「男女共同参画推進条例」を制定。12

浅井春夫・他編『ジェンダーフリー・性教育 バッシング』出版。12

「ジェンダー法学会」発足。12

三重県議会で教育長が「あいまいな定義であるジェンダーフリーという言葉は、今後県教育委員会では使わない」と発言。12

 

2004 

フェミニストが性差解消、家族破壊を目論んでいると批判する、八木秀次他『日本を貶(おとし)める人々――「愛国の徒」を装う「売国の輩」を撃つ』(PHP)出版(1月)

福田官房長官がジェンダーフリーについて否定的ニュアンスの発言をし、これを産経新聞などが報道。2月

岩手日報が「男女区別」は自然の理などとする前田邦夫氏の論説(2月2日付)を掲載(2月)

『読売』社説「男性優位も性の否定も間違いだ」04年2月20日

大阪府豊中市男女共同参画センター「すてっぷ」で、バックラッシュ派の圧力を受けて、館長三井マリ子氏雇止め。

長野県岡谷市は「互いの特性を認め合う」条例修正案を可決。3月

青森県が公文書でジェンダーフリーという表現を使わないと決定。3

山口県は「教育再生地方議員百人と市民の会」の岡本精二議員に、ジェンダーフリーという言葉が誤解を招くとして、「学校における男女平等教育推進の手引き」不使用を通達したと答弁。3

西川京子氏、衆議院予算委員会や内閣委員会などで「中性人間を作る」などとジェンダーフリー攻撃。「ジェンダーフリー」だけでなく「ジェンダー」の使用も禁止するよう提案。(3月)

福田官房長官が、衆議院で、ジェンダーフリーの質問に「言葉の使用は自治体の判断」と答弁。3

『産経』社説「ジェンダーフリー 是正の動きを加速したい」04314

『産経』社説「小学校教科書 性差否定の浸透に警戒を」04331

内閣府が、ジェンダーフリーという用語をあえて使用しないほうがよいとの趣旨の通達を都道府県に出す(4月)

『読売』社説「性教育 保護者が納得できる内容に」04414

『読売新聞』419日社説で「ジェンダー:誤った認識の是正は当然だ」を掲載。4

千葉展正『男と女の戦争―反フェミニズム入門』出版。4

石原都知事が「ジェンダーフリーの考えは非人間的」と発言。米長東京都教育委員が「一番大きな問題は男女混合名簿」と発言。4

『産経』社説「こどもの日 男の子は男らしく育もう」0455

荒川区で林道義氏などバックラッシュ派の主張に沿った男女共同参画条例案が提出されるが、内紛のため撤回。6

千葉県堂本知事がジェンダーフリーという言葉について、「誤解を受けてきたが撤回しない」「男女平等とか男女共同参画と言い換えようと思ったが、県幹部などから、毅然として使い続けるべきだと励ましも受けた」と発言。6

福岡県筑後市で「男女の区別を差別と見誤って否定の対象としないように」の条例修正案を可決。6

自民党改憲プロジェクトチームが家庭内の両性の平等を定めた憲法24条の見直しを提言。

参議院選挙で、山谷えり子氏が自民党比例区で当選。7

東京都教育委員会が「ジェンダーフリー不使用」の見解や通知。誤ったジェンダーフリーに基づく男女混合名簿も禁止の通知。ただし男女平等理念に基づくものは従来どおり使えるとした。8

『産経』社説「ジェンダーフリー 都の全廃方針を評価する」04814

『月刊ビューポイント緊急特集号 ジェンダーフリーに待った!』(発行・世界日報出版部)発行。8

東京都教育委員会が「つくる会」副会長の高橋史朗氏講演会、開催。9

神奈川県教育委員会がジェンダーフリーという用語を使用しない方針決定。9

西川京子氏、「国の秩序を崩壊させるようなジェンダーフリー思想」と発言。10

東京・吉祥寺で「青少年健全育成と美しい家庭を考える会」主催でデモ行進。「過激な性教育の元凶はジェンダーフリー教育だ」との訴え。10

ジェンダーフリー攻撃に反撃する、ジェンダー平等社会をめざすネットワーク集会。11

山口智美・斉藤正美氏規格、上野千鶴子氏主催で、東大ジェンダーコロキアム「ジェンダーフリーから見えてくる女性学、行政、女性運動の関係」が開催。12

「日本ジェンダー史学会」発足。12

埼玉県教育委員に「つくる会」元副会長の高橋史朗氏選任。12

 

2005

東京都弁護士会、七生養護学校事件に関して、不当な介入をするなとの「警告書」提出。(1 月)

西尾幹二・八木秀次『新・国民の油断』出版。(1月)

検定教科書から「従軍慰安婦」記述消える。

「つくる会」編の歴史・公民教科書、検定通過し、一部で採用。

石原都知事のババァ差別発言に対する訴訟で、東京地裁は、名誉毀損や損害賠償の請求を棄却。(2月)

SAPIO』(2005年3月23日号)で「地方自治体を席巻するジェンダーフリー狂騒曲」というバックラッシュ記事(八木秀次・呉智英)(3月)

ジェンダーフリー批判を含む、八木秀次『国民の思想』(産経新聞社)出版(4月)

自民党の「過激な性教育・ジェンダーフリー教育実態調査プロジェクトチーム」が結成(4月)され、初のシンポジウム・展示会を開催。座長である安倍氏が、参画法やジェンダー概念自体を問題視。その他のパネラーは、山谷えり子、八木秀次氏など。(5月)

七生養護学校事件に関して、東京都などを相手取り慰謝料の支払い、教材返還を求める裁判(「こころとからだの学習」裁判)開始。(5月)

中山文部科学相がジェンダーフリー教育批判。(6月)

長井暁氏、西野瑠美子氏などを批判する、八木秀次他『日本を蝕む人々――平成の国賊を名指しで糺す』(PHP)出版(6月)

徳島県、千葉県、大津市、香川県などの地方議会から、ジェンダーフリー教育を批判する意見書提出。

「日本スポーツとジェンダー学会」発足。

日本女性学会がジェンダー概念バッシングに関して声明を発表。(7月)その他いくつかの学会や研究団体からも同様の声明。

「女たちの戦争と平和の資料館」開館。(8月)

山谷えり子氏が、「郵政民営化・衆議院選挙」で、稲田朋未氏を担ぎ出す。(9月)

石原都知事のババァ差別発言に対する訴訟控訴審判決で、地裁判決を維持(9月)

東京都国分寺市が、上野千鶴子東大教授講演の都への申請を東京都の指導の下で取り下げ。

保守系の女性議員を輩出することをめざした「建て直そう日本・女性塾」(初代塾長、山谷えり子、二代目塾長、稲田朋美、幹事長、伊藤玲子・前鎌倉市議会議員)設立(10月)

山谷えり子氏が内閣府大臣政務官(男女共同参画担当)に就任

林道義『家族を蔑む人々――フェミニズムへの理論的批判』出版。(11月)

政府の「第2次男女共同参画基本計画」で、バックラッシュ派の主張に沿って「ジェンダー」「ジェンダーフリー」の説明文が入れられる。(12月)

文部科学省が性教育について実態調査(04年度の状況が対象)(12月)

バッシング批判本、木村涼子編『ジェンダー・フリー・トラブル』出版。(12月)

『産経』社説「男女共同参画 計画案の修正を評価する」(20051228日)

 

2006 

野村旗守編『男女平等バカ』、山本彰『ここがおかしい「男女共同参画」:暴走する「ジェンダー」と「過激な性教育」』出版(1月)。

内閣府が「ジェンダーフリー使用は不適切」の見解・通知(1月)。

『読売』社説「誤解を招く記述の是正は当然だ」(2006115日)

上野千鶴子氏が、講演中止事件に関して東京都と国分寺市に公開質問状(1月)

ジェンダー研究者らが都に上野氏講演中止問題で抗議文提出。(1月)

男女平等批判の観点からの、八木秀次、櫻井よしこ、小堀桂一郎『「女系天皇論」の大罪』(PHP研究所)出版(2月)

石原都知事のババァ差別発言に対する第一次訴訟判決に対する感想を聞かれて、石原氏が「変な左翼」「あれは裁判のための裁判で、あの人たちのパフォーマンス。その域をでないね。」「動物というのは、みんな生殖、種の保存のために四苦八苦して、シャケだって死に物狂いになって上がってきて、産卵したら死ぬわけでしょ。」と、定例記者会見で発言。(2月)

千葉県で、男女共同参画センターの設置管理条例案、否決(3月)

フェミニストらが、東京で「『ジェンダー』概念を話し合うシンポジウム」開催。(3月)

高校教科書検定で「ジェンダーフリー」削除され、全教科書から消滅。「ジェンダー」「家族」や「性」に関わる検定の保守化。(3月)

福井県生活学習館 (男女共同参画センターに相当)で、2005年11月1日、男女共同参画推進員からの『生活学習館のすべての図書について内容を確認し、不適切なものは排除するように』との苦情申出をうけて、ジェンダーフリー関連の約百五十冊を同センターの書棚から排除(福井発・焚書坑儒事件3月)(→その後、抗議活動を受けて書棚に戻す)

バッシング批判本、浅井春夫・他編『ジェンダー/セクシュアリティの教育を創る』出版。(4月)

石原都知事の「変な左翼」「裁判のための裁判、パフォーマンス」「シャケだって死に物狂いになって上がってきて、産卵したら死ぬ」等の発言が、原告らを特定して誹謗し、名誉を毀損したとして92名が東京都と石原知事を提訴。(4月)

バックラッシュ派の高橋史朗氏が東京都の男女平等参画審議委員に就任(4) 。後に古賀議
員加わる)

「家族・地域の絆再生」政務官会議PTが「中間取りまとめ」(あったかハッピープロジェ

   クト)公表(5月)
岩手日報が憲法24条改正を促す前田邦夫氏の論説(522日付け)を掲載(5)

安倍晋三氏が著書『美しい国へ』のなかで、「正常な家族モデル」を教えるべきとし、「同棲、離婚家庭、母子家庭、同性愛夫婦、犬や猫と 一緒に暮らすことも家族」という内容の教科書や性教育、ジェンダーフリー教育を批判する。

男女平等批判の観点からの八木秀次『本当に女帝を認めてもいいのか』(洋泉社新書)出版(6月)

ヌエックの毎年夏恒例の「女性学ジェンダーフォーラム」がなくなり、かわりに、「男女共同参画のための研究と実践の交流推進フォーラム」となる

都議会で田代ひろし議員が、山田昌弘氏の男女平等参画審議委員就任を批判(6)

日本女性学会・ジェンダー研究会編『Q&A 男女共同参画/ジェンダーフリー・バッシン

グ―――バックラッシュへの徹底反論』出版(6月)(以降、バックラッシュへの反撃本が相次いで出版される)

文部科学省が「学校における男女の扱い等に関する調査」の結果を6月30日に公表(6)

北海道議会(北海道議会予算特別委員会6月30日)において、「道立女性プラザ」内のジェンダーフリー/ジェンダー関連図書やジェンダーフリーを使用している団体の排除(内容の事前チェック)を求める質問が、自民党の小野寺秀(まさる)議員(自民)によって行われる(6月)

八木氏が主導する教育団体のネットワーク化を目指す民間シンクタンク「日本教育再生 機 構」の設立準備室が設置される(7月)

「福井発・焚書坑儒事件」に関して、福井県で「『ジェンダー図書排除問題』を問う」集会(8月)

安倍氏側近の下村博文、山谷えり子、稲田朋美議員らが参加して8月29日に開かれたシンポジウム「新政権に何を期待するか?」でジェンダーフリー批判(8月)

思春期学会で山谷えり子議員が、性教育がフリーセックスを推奨しているから子どもの性の意識が乱れている、家族を破壊すると、特別招請講演(8月)

久留米市議会に「良識ある男女平等教育の推進を求める請願」がだされ、審議される(9月)

都城市において「都城市男女共同参画社会づくり条例」から、「性別又は性的指向にかかわらず」の文言が削除され、前文に「男女共同参画の推進は性差を否定するなど男女の区別をなくすことを目指すものではなく・・・」が加筆される(9)

愛媛県松山市で「まっとうな日本人の育て方」と題した、反ジェンダーフリーの内容の講演会が、県(保健福祉部)と県教委の後援で開催(9月)

安倍内閣(及び大臣並みの地位の首相補佐官)が組閣され、「歴史教育議連」「日本会議議連」に参加しているメンバーが大量に登用される。バックラッシュ派である高市早苗氏が少子化・男女共同参画担当大臣、山谷えり子氏が教育改革担当首相補佐官、下村が官房副長官になる(9月)

伊吹文科大臣が国会答弁で「民主党案のように教育を首長に任せたら、選挙で選ばれた人だからジェンダーのようなイズムに偏った教育になる」といった趣旨の発言。(10月)

屋山太郎氏が『静岡新聞』「論壇:誤った歴史認識の背景」(10月18日朝刊)で、「従軍慰安婦」問題で「慰安婦は公認の職業で、強制性はなく、政府は関与していない」「従軍慰安婦問題は、中国や韓国の言い分がそのまま国際社会を突っ走り、放置されたゆえの事実誤認」等とバックラッシュ記事を書く。(10月)

「男女共同参画社会基本法の廃棄」を目標とする、「美しい日本をつくる会」(共同代表、伊藤玲子、桜井裕子氏)が結成される。(10月)

「日本会議地方議員連盟」が発足(1111日)

日本女性学会幹事会が、「教育基本法『改正』についての緊急声明」を発表。(12)

千葉県市川市で、男女平等基本条例が廃止され、男女の特性論に基づいた、固定的役割分担を肯定した 新条例が制定される(12月)

 

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2007

安倍首相、施政方針演説で結婚と家族を重視発言、女性の再チャレンジ支援を掲げたほかは、男女共同参画への取り組みはほとんど示さず(1月)

政府の教育再生会議が第一次報告で学校評価機関設置と「親学」普及啓発を提言する(1月)。ただし、これにそって5月にまとめた母乳育児の励行など子育て提言案が「家庭に立ち入りすぎ」と反発を招き、六月の第二次報告において、「親学」は盛り込まれなかった。

柳澤伯夫厚生労働大臣が講演で少子化問題にふれた際、女性について「産む機械、装置の数は決まっているから、あとは一人頭で頑張ってもらうしかない」などと発言(1月)

梅原克彦・仙台市長が、男女別学校の共学化をすすめるという、宮城県教育委員会の決定を「宮城県の教育史に残る汚点だ。伝統は守るべき」と批判。(1月)

「埼玉県男女共同参画推進プラン二〇一〇」の見直しで、「男女混合名簿の促進」項目を削除(1月)

NHKの女性国際戦犯法廷番組改ざん裁判で、NHKが政治家の関与の下、本質的な部分を削除するようなものに改編してことが認められるという、原告勝利の判決(1月)

内閣府調査で「『別姓反対』が増えた」とされ、報道もその線で出たが、回答者の偏りなど調査方法に問題があることが発覚、世論誘導的と批判される (1月)

日本女性学会幹事会及び有志が、「柳澤厚生労働大臣の発言に関する意見書」を発表。(2)

ジェンダーフリー教育に反対し、男女共同参画社会基本法の廃棄をめざす「美しい日本をつくる会」の発会式が明治神宮内の参集殿で行われる(会自体は0610月に結成)。(2月)

千葉県市川市で、男女平等基本条例が廃止され、男女の特性論に基づいた、固定的役割分担を肯定した新条例に対して、現条例支持の審議委員10人(委員15人中の10人)が抗議の辞任(2月)

自民党有志議員がつくる「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」 (会長=中山成彬・元文部科学相)が「『従軍慰安婦』や河野氏談話の見直しを提言  (2月)

「男女共同参画法の廃棄」をうたう「美しい日本をつくる会」(共同代表・伊藤玲子前鎌倉市議ら三人)が設立される(2月)

「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議設置。高橋史朗、長谷川三千子氏が入る(2月)

国分寺市議会で条例批判が起こる(2月議会)

旧日本軍の「慰安婦」問題に関して日本政府に謝罪を求める決議案が米下院に提出されていることについて、衆院予算委員会での稲田朋美氏の質問に対し、麻生外相は「決議案は、客観的事実に全く基づいていない。日本政府の対応を踏まえていないので、甚だ遺憾だ」と述べる(2月)

安倍首相が、軍当局の関与と「強制性」を認めた93年の「河野官房長官談話」に関連して「強制性を裏付ける証拠がなかったのは事実」と発言。各国から批判を受ける。(3月)

石原都知事の「変な左翼」「裁判のための裁判、パフォーマンス」「シャケだって死に物狂いになって上がってきて、産卵したら死ぬ」等の発言を問題にした第二次訴訟(石原知事相手のもの)で、請求棄却。(3月)

民主党の右派議員約20人が、河野官房長官談話の見直しなどを求めていくとする「慰安婦問題と南京事件の真実を検証する会」(会長・渡辺周衆院議員)という議連を結成(3月)

自民党の有志議員でつくる「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」会長の中山成彬・元文部科学相が、河野官房長官談話を批判し、政府に事実関係の再調査を求める提言を提出(3月)

東京都教育庁が退職を勧めるケースとして、「3歳以上の子供がいて本人が育児を行わなくてはならない場合」「子に障害がある場合」などを例示した文書を市区町村教委や都立高校などに通知 (3)

「離婚後300日以内に生まれた子は前夫の子」とする民法772条の規定を見直す問題で、長勢法務大臣が「貞操義務なり、性道徳なりという問題は考えなければならない」と発言。自民党内部からも伝統的価値観などに基づく立法不用論が噴出し、法改正が頓挫。「特例法案」も見送られ、結局通達のみで対応することに。(4月)

統一地方選で、バックラッシュ系の議員養成組織「女性塾」からの候補が二人当選(二人落選)(4月)

ジェンダーフリー教育を批判する、マンガ『日狂組の教室』出版。マンガ『嫌韓流』を出した晋遊舎から。(4月)

 

ジェンダーフリー教育を批判する立場にたつ「家族の絆を守る会」(通称FAVS=ファブス)の設立総会が開かれる。事務局は日本会議。(4月)ポーランドでの世界家族会議に参加。

衆議院内閣委員会で、戸井田とおる議員(自民党)が、男女共同参画社会基本法は「少子化推進、離婚推進法」であると、男女共同参画についてバッシング質問(4月)

東京都の男女平等参画行動計画の改訂「第二次計画」において、「男女平等教育推進校」の指定という項目の削除など諸点で内容後退(5月)

福岡県小郡市の男女共同参画推進条例案が、議会の反対で撤回(6月)

「従軍慰安婦」問題で日本政府に公式な謝罪を求める決議案が米議会本会議で採決されると予想される中、日本の加藤良三駐米大使が下院指導者に対して、決議しないよう要請の手紙を送る(6月)

仙台市の男女共同参画推進審議会委員として、「新しい歴史教科書をつくる会」の元副会長で明星大教授、高橋史朗氏が選ばれる。これに対して事前に女性団体などが反発したことに対し、梅原克彦市長は、「一部の委員を審議会に採用すべきでないというのは、言論の自由、民主主義の破壊。まったく理解に苦しむ」と批判。(7月)

長谷川公一・東北大学大学院文学研究科教授を呼びかけ人代表とする有識者らが、仙台市長に『高橋史朗氏の仙台市男女共同参 画推進審議会委員への任命を憂慮する声明』を提出(7月)

仙台市の男女共同参画推進審議会委員に就任した高橋史朗・明星大教授が、マスコミの取材で「男らしさ、女らしさを否定してはいけない。ジェンダーフリー論者はこいのぼりやひなまつりを否定している」などと発言。(7月)

「慰安婦問題の歴史的真実を求める日本国会議員の会」などが、「売春婦は存在したが、性奴隷などという存在は全く無かった」との抗議書を米下院外交委員会へ送る(7月)

渡部昇一氏など日本の極右学者や国会議員らが、「慰安婦」決議阻止を訴えて」駐日米国大使館前で抗議デモ。その中で、 旧日本軍の「性奴隷」である慰安婦を「売春婦」と呼ぶ(7月)

07年725日の『産経新聞』において、木村治美氏が「男女共同参画運動の弊害」「過激な性教育」「性をモノとして扱う実物教育」などとジェンダーフリー教育、性教育を批判(7月)

米下院本会議が、初めて、第2次大戦中の従軍慰安婦問題について日本政府に公式謝罪を求める決議案を可決(7月)

「新しい歴史教科書をつくる会」が、米国下院の「慰安婦問題決議」に対して、抗議し、「河野談話」破棄を求める声明を発表(7月)

東京地裁が、石原都知事の「ババア」発言裁判の判決後の記者会見で、原告らを「裁判のための裁判でパフォーマンス」と非難したことをめぐる第二次裁判(東京都相手のもの)において、原告の請求を棄却する不当判決(7月)

日本教育再生機構(八木秀次会長)が「教科書改善の会」(改正教育基本法に基づく教科書改善を進める有識者の会)を発足させる。代表世話人は屋山太郎氏、事務局担当が八木秀次氏。「育鵬社」の新たな教科書発行を支援する意向を表明。そこで、「従軍慰安婦についても、日本軍や官憲による強制連行がなかったという歴史事実については承知のこと」であるが、教科書検定通過を考慮して「発達段階を考慮し、記述しない」という方針をとったと説明。賛同者として伊藤玲子(建て直そう日本・女性塾幹事長)、木村治美(共立女子大学名誉教授)、クライン孝子(ノンフィクション作家)、さかもと未明(漫画家)など(7月)

八木秀次『日本を愛する者が自覚すべきことPHPファクトリー・パブリッシング出版。(7月)

『世界日報』が“人間と性”教育研究協議会(性教協)批判など、性教育関連で、バックラッシュ連載記事掲載(8月)

働く女性支援ではなく、家族回帰のため、安倍政権の少子化対策が停滞。たとえば、安倍政権の少子化対策諮問機関名から「少子化」が消えて、「子どもと家族を応援する日本重点戦略検討会議」になり、分科会には「働き方の改革」とともに、「地域・家族の再生」が設けられる。

仙台市が、市民の反発を受けて、男女共同参画施策の拠点施設「エル・パーク仙台」の廃止方針を転換し、現行のまま存続させることを決定。(9月)

大阪府で、自民党府議団は、府が存続する方針であった府男女共同参画推進財団に対して、廃止すべきと提言(9月)

高橋史朗氏が『産経新聞』で、男女共同参画第2次基本計画を引き合いに、家庭科教科書は男女の性別役割を否定している、家庭の大切さが欠落しているなどと批判(9月)

三井マリ子氏の館長雇止めバックラッシュ裁判において、請求棄却という不当な判決がだされる。しかし事実認定などにおいて訴えの内容の一部は認められる(9月)

 

文部科学省が2008年度から、「子育てサポーター」らが「家庭教育支援チーム」をつくり自宅を訪問して子育て・しつけで相談に乗る事業(標準マニュアル・テキスト作成)を行うことを決定。事業の担当は、「生涯学習政策局男女共同参画学習課」。教育基本法の改定、国の家庭への介入の流れのひとつ(10月)

東京都世田谷区に対して、「非嫡出子」(婚外子)と記入することを拒否したため二女の出生届が受理されず、戸籍がないために、住民票もないことに対して、事実婚の夫婦らが、区に住民表作成を求めた訴訟の控訴審で、区に作成義務なしとの判決。作成を命じた1審東京地裁判決を取り消し事実婚夫婦が逆転敗訴(11月)

国立女性教育会館(ヌエック)が、独立行政法人整理合理化計画(行革推進本部)において、他の組織(国立青少年教育振興機構)と統合する、実質上の縮小計画にさらされる。「男女共同参画社会」実現のための拠点施設であるにもかかわらず、職員数27人、予算84100万円でしかないものをさらに縮小するという扱い。(11月−12月)

「国立女性教育会館」(ヌエック)を国立青少年教育振興機構(東京)と統合する動きに対して、全国から反対の声が上がる。(11月−12月)

バックラッシュ本、桜井裕子『性教育の暴走』が出版される(11月)

自民党の中川昭一・元政調会長が「保守勢力の再結集」を掲げ、59人で新たな勉強会を立ち上げ。人権擁護法案に批判的、伝統・文化を守る、国益を守るなど、安倍前首相と志向が近い議員が集結。(12月)

松山市において、政府の第2次基本計画をひきあいに、「男女の特性の違いに配慮」「専業主婦の社会的貢献を評価」「乳幼児期に母親の役割が重要であることに配慮」「松山市はジェンダー学あるいは女性学の学習あるいは研究を奨励しないこと」などを求める、松山市男女共同参画推進条例の運用についてのバックラッシュ請願が出され、議会で採択される。(12月)

仙台市が、男女共同参画推進の拠点施設「エル・ソーラ仙台」の施設面積を現行の半分程度に縮小する方針を発表(12月)

大分県議会で、渕健児議員(自民)が「性教育は性交を奨励する教育なのか」「学校で行き過ぎた性教育が行われている」とバッシング質問。知事もそれに同調する答弁(12月)

政府の「ワーク・ライフ・バランス推進官民トップ会議」が、 「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章 」及び「仕事と生活の調和推進のための行動指針」を発表。2017年に達成すべき目標として(1)男性の育児休業取得率を10%に(2)年次有給休暇の完全取得(3)労働時間が週60時 間以上の雇用者の割合を半減−−などをあげた。(12月)

鹿児島県議会の吉野正二郎議員ら8人が、国に学校評価の専門機関と「親学」普及本部の設置を求める「教育改革を求める意見書」を提案し、賛成多数で可決される。同様の意見書が、石川、岡山県議会でも採択される(12月)

政府の独立行政法人整理合理化計画において、国立女性教育会館については、今後も単独の法人として存続することとなる(12月)

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2008

松山市男女共同参画センター・コムズにおいて、「ジェンダーフリー」系の21冊の書物が本棚から撤去されていることが判明(1月)

日本女性学会第14期幹事会が、松山市議会のバックラッシュ請願可決に関し、「松山市男女共同参画条例の運用に関する請願採択について(要請)」という要請文を送る。(1月)

自民党の太田誠一衆院議員が、社民党の福島党首を「極左」と中傷(1月)

大阪府知事選挙において、候補者の橋下候補は、ヒューライツ大阪とドーンセンターの財団をつぶすと、集会で明言(1月)

つくばみらい市の平川和子氏のDV講演会に対して、バックラッシュ派(野牧雅子、小菅清氏のDV防止法犠牲家族支援の会』、右翼活動家・西村修平氏の『主権回復を目指す会』)が「過激フェミニスト」等とレッテルを貼って、講演会への抗議や参加等をWEB上などで扇動し、また市庁舎前で拡声器による抗議宣伝活動を行い、市の担当者との面談で抗議したため、講演会が中止となる(1月)

長岡市で予定されている平川和子氏のDV講演会に対して、野牧雅子氏が、講演会への抗議や参加等をWEB上などで扇動する(1月)

習志野市が、次期男女共同参画基本計画に対してパブリックコメントを求めたところ、「美しい日本を作る会・習志野支部」といったバックラッシュ派7〜8名が市庁舎周辺でビラまきをし、パブコメにも全国から批判的内容を集中させた。(1月)

茨城県つくばみらい市のDV講演会中止を受けて、隣のつくば市の県立茎崎高校が、「デートDV予防授業」を中止した(1月)

船橋市議会の中村実議員が、船橋市女性センターに、つくばみらい市のDV講演中止事件フェミニストセラピィに対して、バックラッシュ的質問や意見を言いに来る(1月)

「河野談話の白紙撤回を求める市民の会」などを名乗る西村修平氏らが、20数人でWAM(女性と戦争と平和資料館)におしかけて妨害行動をする。(1月)

福井焚書事件(2006年にジェンダー関連の著作が福井県の施設から一時撤去された問題)関連で、県男女共同参画審議会の音声記録の公開を求めた訴訟で請求を棄却する

判決 (フェミニスト側が敗訴)(1月30日)

総合商社の兼松での「コース別人事」による女性賃金差別裁判で、東京高裁が女性側勝訴(兼松に賠償命令)の判決。200311月、東京地裁で出された「男女間の賃金格差は配置等の差別の結果生じたもので、男女賃金差別ではない」との判断をくつがえすもので、同じ仕事をしていれば契約形態の違いを理由にした賃金格差は認めないとした(131日)

つくばみらい市に対し、フェミニストらが、DV講演中止への抗議と講演再実施を求める約2600人分の署名を提出(21日)

日本教職員組合(日教組)の教育研究全国集会の全体集会をする予定で予約されていたグランドプリンスホテル新高輪(東京都港区)が右翼の圧力を理由に使用を拒み、全体集会の開催が中止となる。ホテル側が07年11月に契約解除を通知したことを受け、日教組が使用を求めて東京地裁に仮処分を申し立て認められ、東京高裁も081月30日、日教組側の主張を認める決定をしたが、ホテル側は裁判所命令を無視した(21日)

大阪府知事に就任する橋下徹氏が、かねてからの主張どおり、83の府立施設のうち「図書館以外はすべて不要、民営化を検討との指示を出した。そのなかには、女性総合センター(ドーンセンター)が含まれていた(24日)。それに対して「好きやねん ドーンセンターの会」が立ち上がり、署名活動などを通じて、ドーンセンター存続の運動が活発化した。(2−4月)

ジェンダー法学会が、松山市長と市議会議長に対して、松山市議会のバックラッシュ請願可決に関し、請願事項は、学問の自由を侵害し、男女共同参画社会基本法の規定に反するものであるという内容の「男女共同参画社会の発展を阻害する一部地方自治体の動向に憂慮する声明」を送る。(26日)

滋賀県が県立男女共同参画センターの図書費用を07年度の240万円から10万円に激減させる方針を出す。3人いた図書資料室の担当者も1人に減らされ、利用時間も短縮の予定。(2月)

MSN産経のコラム「正論」や『週刊新潮』(221日号)で、客員編集委員・花岡信昭氏や評論家・西尾幹二氏らが、沖縄で米兵が少女をレイプした事件で、少女の側にも責任があるとの非難。(2月、3月)

文科省が、自ら編集し配布した『学校における性教育の考え方、進め方』(1999年)という教員向けの性教育指針を、「過激な性教育」が問題化したことを受け、「極端な性教育」を容認しないものに改定することを決めた(3月)

つくばみらい市DV講演会中止事件に対し、賛否双方から市議会に請願、陳情書が今川英明市議会議長に出される(3月)

靖国神社を題材にした中国人監督のドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」に対して、週刊誌などが「客観性を欠く」「反日映画」などと報道し、それを受け自民党の稲田朋美議員が「助成が適切だったかどうか、議員として検証したい」などといって、自民若手議員の勉強会「伝統と創造 の会」や「平和靖国議連」との合同の試写会を、文化庁を通じて要請。それに対して、監督側とアルゴ社は「検閲のような試写には応じられない」として、逆に全議員を対象に、異例の試写会を開いた。

その後、政府出資の基金から助成金が出されたことを問題視した自民党議員でつくる「伝統と創造の会」(会長・稲田朋美)と「平和靖国議連」(会長・今津寛)が、助成の経緯を文化庁などにただす会合を開いたが、文化庁側は「取り消しは難しい」との見解を示した。(3月)

福島県白河市で、部局の名前から「女性」の文字が消える。従来は教育委員会の中に「青少年女性係」があったが、市長公室の下へ統合されて、「地域づくり課」になる。(3月)

松山市の市男女共同参画推進センター(コムズ)の蔵書約4千冊のうち、「ジェンダーフリー」という言葉が主題や副題につく21冊の本が書棚から撤去され、市民が閲覧できなくなっていることが判明。(311日)内閣府が02年に(ジェンダーフリーは)「一部で男性と女性の違いを一切排除しようという意味で使われており、国の男女共同参画基本計画などでは使われてない用語だ」などと国会で答弁したことを受け、03年度に撤去したとのこと。

松山市コムズで撤去されていた「ジェンダーフリー」関連21冊の閲覧・貸し出しが再開される。ただし、「ジェンダーフリーに対する国の見解などもの考慮し、21冊の本は引き続き書庫で管理。蔵書リストには記載したうえで、希望者に閲覧・貸し出しを行う」という不十分な仕組みに。(4月24日)

橋下新知事の指揮の下、大阪府の改革プロジェクトチームが公表した「財政再建プログラム試案」(PT案)において、男女共同参画政策、母子家庭政策、子育て政策などで大幅後退案。福祉や教育など各分野での自己負担の増加で家計を直撃計画。「子どもが笑う」のキャッチフレーズは反故へ。(4月)その後、ジェンダー平等政策が大幅に後退し、ドーンセンターの機能の事実上の解体へとすすむ。

女性差別撤廃委員会で審査される「実施状況第6回報告」において、「第2次基本計画」への言及として、「『社会的性別』(ジェンダー)の視点の定義に関する正確な理解を深め」たとして、再び「第2次基本計画」と同じく、ジェンダーについての誤った説明を正当化した。英文では、「男女間の差異を否定し、男性性と女性性すなわち性差を抹消することによって、人類を制圧しようと意図するような態度、また家族を否定すること、あるいは女児の祝祭(ひなまつり)のような文化的伝統を否定することは、市民が希求するジェンダー平等社会とは異なるものである」といった説明になっている。(5月)

仙台市が、男女共同参画推進センター「エル・ソーラ仙台」の規模を約6割にすると議会で提示される。「エル・ソーラ仙台の縮小に反対する会」など市民団体が縮小を見直す要望書を提出。(5月)

政府・与党の「高齢者の『安心と活力』を強化するための緊急措置」において、世代間の助け合いを支援するため、3世代が同居する世帯に、高齢者と同居する住宅の固定資産税や世帯主の所得税の軽減など、家族単位的な政策が提起される。(5月)

「性暴力禁止法をつくろうネットワーク」の設立集会が、5月31日(土)に大妻女子大学で開催される。(5月)+

町村信孝内閣官房長官が、東大で、これからの日本の若者に求められるのは、結婚して子どもを増やすことであると講演。(5月)

さかもと未明氏が秋葉原事件に関して、これは『男性性の暴走』であり、その原因として男女平等教育が男性というものを制御し、骨抜きの男をつくっているからだと主張(MNS産経.7.2)

大阪府堺市の図書館の書架から、ボーイズラブ(BL)系の計5499冊の図書が、いっせいに書庫(閉架)に移される(8月)。発端は、7月末にバックラッシュ系「市民」が「BL本が大量に図書館にある。男性同士が抱き合っている破廉恥なものを大量開架するのはセクハラであり、子どもに悪影響を与える」と苦情を申し出たこと。その後抗議を受けて軌道修正(11月)

バックラッシュ論者の桜井裕子氏が、「松山市男女共同参画市民活動支援事業」として「若者に蔓延する性感染症」という講演を行う(9月)。主催は、「健全な男女共同参画社会をめざす会」で、事実上、性教育を批判する、バックラッシュ派の活動。

東大で、ジェンダーコロキアムの枠で、「バックラッシュとジェンダー〜福井「焚書坑儒」事件と情報公開訴訟」が開催される(10月7日) 

婚外子差別、労働における女性差別、性暴力などについて、自由権規約日本審査への最終所見・勧告を受けたにもかかわらず、日本政府はまったく無視の対応を続ける(08年11月)

日教組批判の本、『「まっとうな教育」を回復せよ! 中山成彬はなぜ日教組と戦うのか』(伊藤玲子・編著)の出版記念パーティーが開かれる(1126日)

浜松市で、2009年度から「男女共同参画課」という名称が消えそうになり、結局、「ユニバーサル社会・男女共同参画推進課」という名前になることが決定される。(12月)

宇都宮の市議会自民党議員会が、市長宛に「ディンクス(共働きで子どもがいない夫婦)など子どもゼロ家庭に対しては、公的年金等、掛け金の増額を検討するように」という要望書を提出(12月)

日教組がジェンダーフリー教育を推進していることなどを批判することをめざす、自民党有志議員による「日教組問題究明議員連盟」(会長・森山真弓元文相、幹事長・義家弘介)が発足。日教組問題を究明し、教育正常化実現に向け教育現場の実態を把握することをめざすという。(12月)

熊本市議会の教育市民委員会で否決された男女共同参画推進条例案が、自民党などが出した修正案で可決された。修正案では、六つの基本理念のうち、「性別による固定的な役割分担の考えが、男女の自由な選択に影響を及ぼさないよう配慮する」「男女が対等な関係で尊重しあうことで健康な生活が営めるよう配慮する」「国際的な協調の下に男女共同参画を進める」など三項目が削除され、男女共同参画を進める対象が「すべての分野」から「各分野」へと格下げされた。セクハラ(性的嫌がらせ)、ドメスティック・バイオレンス(配偶者などによる暴力)の定義が削られ、「日本独自の伝統と文化を尊びながら」などの文言が追加された。(12月)

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2009

 

宮城県県立高の一律共学化を巡り、高校同窓会などが共学化方針の見直しを求める請願を提出し、仙台市長も共学化反対の手紙を教育委員に送る。(1月)

男女共同参画決議が自民党などによって修正されて骨抜きになったと、熊本市議会に対して「男女共生社会を実現するくまもとネットワーク」が抗議の集会 (2月7日)

麻生首相が青森市の講演で、ペットを家族の一員とする教科書の記述を批判し、変更させたと自慢。(2月22日)

桑名市議会でバックラッシュ派の成田正人議員が、図書(BL本)について「不適正な図書BL本、ボーイズラブ、同性愛のホモの本」などについて、それらがあるのか、購入基準にあっているのか、処分しないのかなどと質問。当局は、図書館の自由を念頭におき、図書選定基準にそって図書を選定する、と原則的に答える。

  また同議員は、「男女平等という耳障りのよい言葉に隠れた暗黒のジェンダーフリーという悪夢の世界に一度は落ちた事実」を踏まえ、男女共同参画には光だけでなく影があるなどと述べた。(3月)

東京都立七生養護学校で行われていた性教育を攻撃した事件の裁判(「こころとからだの学習」裁判)で、都と都議3人(田代博嗣、土屋敬之、古賀俊昭)に計210万円の賠償命令の判決が出る。都議が学校を視察した際、教育内容を一方的に批判した行為を「政治的信条に基づく介入、干渉で、教育の自主性を阻害た。旧教育基本法が定めた『不当な支配』にあたる」とした。都教委が、性教育のやり方について以前は評価していたのに、都議の指摘を受けて、不適切な性教育が行われたとして、都教育委員会が性教育をした教員を厳重注意処分にしたことは「社会通念上、著しく妥当性を欠く」と判断した。同校の教育内容を批判的に報じた産経新聞に対する訴えが棄却される、都教委による教材没収はそのままなど、問題点もある判決であった。(09312日)

仙台市の梅原克彦市長が県立高校の一律共学化に反対した動きを批判して、奥山恵美子副市長が任期途中に辞職(3月)。梅原市長は就任1年目の2006年1月、男女共同参画推進の2つの拠点施設について、統合を含めた見直しの検討を表明し、女性団体の猛反発を招いていた。

千葉県知事選で、バックラッシュ派の森田健作氏が当選。マニュフェストで「ジェンダーフリー(性差否定)教育や過激な性教育を見直し、男女の生まれ持った違いや良さを尊重し、家族や家庭を大切にする明るく元気で生き生きとした子供たちを育てます」などと述べていた。(3月)

参議院内閣委員会(3月17日)で、山谷えり子氏がバックラッシュ的内容で教科書批判を行い、小渕大臣に「私自身大変びっくりしたところであります」という答弁をさせた。(3月)

阿久根市の「教育長代理」の長深田悟教育総務課長が、09年度教職員異動について「地域の人から管理職には女性より男性を求める声がある」との差別的発言をしていたことが判明(4月)。 長深田氏は竹原信一市長(50)が昨年、教育長候補として、教 育委員の人事案を市議会に提案したが、反対多数で否決された人物。

小学館の「SAPIO2009年4月22日号の特集記事として、「申し上げにくいのですが「女尊男卑」行き過ぎてませんか?」が載る。

自民党の稲田朋美衆議院議員が、法務委員会で、外国での同性婚にかかわる「独身証明書」を発行することになったことについて、これは従来の同性婚に必要な「婚姻要件具備証明書」は出さないという方針を変えたことになり、日本の道徳の破壊につながると批判。(4月3日)

埼玉県議会6月定例会において、田村琢実議員(自民)が、「男女混合名簿は、ジェンダーフリー運動の一環であり、後天的性同一性障害や食系男子を生む。男女共同参画センターを廃止せよ」などと発言。(6月29日)

東京都三鷹市で市の建物(三鷹市市民協働センター)で「中学生のための慰安婦展」(ロラネット=フィリピン元[慰安婦]支援ネット・三多摩主催、WAMが全国で行っている内容)が7月29日から8月3日まで開かれる予定であったが、西村修平や桜井誠といった右翼(在日特権を許さない市民の会などで活動)が圧力、抗議活動をかけ、一旦、中止に追い込む。三鷹市は、管理上の支障があるとして、双方の申請を不承認とすることで、事実上右翼の圧力に屈した。しかしその後、ロラネット側の抗議を受けて、同じ三鷹市協働センター内で開催場所を変えて「中学生のための慰安婦展」を開催することが決定した。〔6月から7月〕

それに対し、主権回復を目指す会、在日特権を許さない市民の会、せと弘幸Blog『日本よ何処へ』、NPO外国人犯罪追放運動、外国人参政権に反対する会・東京、などが、三鷹市で開催の「慰安婦展」に抗議活動を繰り広げ、多くの一般市民が参加できなくなる。〔8月〕

土橋博子氏が、政府主催会議で西村修平氏からひどい発言を受ける。それに対して、土橋博子氏が、私生児発言を名誉毀損だと西村修平氏に対して裁判を起こした(「私生児(婚外子)発言が名誉毀損」裁判)。

それに対し、「主権回復を目指す会」「NPO外国人犯罪追放運動」「在日特権を許さない市民の会」「外国人参政権に反対する会・東京」「維新連新風の元副代表せと弘幸(BLOG『日本よ何処へ』)」など右翼が土橋博子氏を街頭宣伝やインターネット上で攻撃。

栃木県議会で「とちぎ男女共同参画財団」の廃止を自民党議員会が主張。〔7月〕

旧日本軍の従軍慰安婦問題を広く知ってもらおうと、「戦争と女性の人権を考える集い」が8月8日、富山市で開かれたが、後援を富山市が同イベントの開催の直前になって急遽取り消した。市は理由を、公平中立の立場ゆえと説明。背景にバックラッシュ派からの圧力があった。この件で、「戦争と女性の人権を考える集い」実行委員会が、抗議文と質問状を後日提出した。〔8月〕

09年衆議院選挙におけるWANの政党アンケートで、ジェンダー概念へのスタンスについて、自民党が「『ジェンダー』排除は正しいので支持する」と回答(8月)

 

 

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞09年2月末段階

 

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