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2014年07月13日(日)

MicrosoftサイトIPv6アクセスできない場合があった件

先月末から先週まで、この件でいろいろ対応していたので、経緯をまとめてみました。


まとめ



時系列で細かく書いてみた

先方のサポートからの返答は、ベタ引用するとよろしくなさそうなので、最低限の引用にしています。
英文で、翻訳に自信がないところは、長めに引用しています。

6/24
Officeダウンロード版を買って、office.microsoft.comからダウンロードしようとして、IPv6でうまく接続できないのに気づく。

そういえば、以前、azure.microsoft.comでも、使っているCDNにIPv6アクセスできなかったことがあり、hostsファイルにCDNのIPv4アドレスを手で書いていたのだった。 しかし、IPv6で接続できない度にhostsを編集するのは面倒だ。

そういえば、IPv6ネットワーク全体からMSサイトアクセスできないようであれば、もっと大騒ぎになってもおかしくないのだが、ひょっとしてアクセスできないのはうちの環境だけなんだろうか?と思ってtwitterで聞いてみると果たしてIPv6で正常にアクセスできるネットワークの方が多かった。

さらに調べると、以下のような状況がわかってきた。
これらの状況から、IPv6ルーティングというよりは、CDNエンドポイント側の障害じゃないかという気がしてきた。

これまで、このIPv6アクセスできないという問題に対しては、こういう問題を問い合わせる窓口がないし、あったとしてもフォーラム等で反応が期待できないので、改善されるのをあきらめていた。 ところが、同じCDNを利用しているように見える、Azure CDNでも同じ問題が起きているということは、Azure問題として問い合わせれば、結果として全体のアクセス改善されるのでは?と思ったのだった。 たまたま、Microsoft BizSpark無料サポートインシデント有効期限が近づいていたので、失効させるよりはと思い、この件を問い合わせることにした。

6/25 - 6/29
マイクロソフトに問い合わせてから、契約状況の確認などあり、数日要した。 Azure CDNサポートは英語対応になるので、質問は英語で送れとのことで、@hideyu_k氏の協力のもと、問い合わせ文章を作る。


6/30 - 7/1
以下の内容で、マイクロソフトに問い合わせを送った。

問い合わせは、Azure CDNを実際に運用しているEdgeCast Networksにエスカレーションされ、以後は、主にEdgeCastの担当と直接やりとりすることになった。

EdgeCastからの返答は早く、以下のような返答があった。
上記の返答を得て、少々というか、かなり面食らった。
とはいえ、IPv6有効にすると言わないと、先に進めなさそうではある。でも、有効にすると言う前に、以下の確認をしてみた。
正直、釈然としない返答ではあったが、追加料金があるわけでもなさそうだし、まあいいかということで、この後、IPv6有効にしてくれというメールを送った。
程なくして、「IPv6有効にした。設定が浸透するまで6時間ほどかかるから待ってくれ」という返事がある。

IPv6有効になったと言われてから6時間経過した後、状況を確認するが、やっぱり症状は直っておらず、「やっぱりダメなんですけど」というメールを送る。

7/2
EdgeCastから連絡あり。
  • 「現象を確認中だ」
  • 問題のあるホスト上でMTRを実行した結果を送ってくれないか。network routeを確認したい」
mtrコマンドの出力を送付後、さらにwgetを送るように依頼される。
その後、DNS teamにエスカレーションするという連絡あり。

7/6
何の連絡もないので、「進捗どうですか」とメールしてみる。
「内部で動いてるからもうちょっと待ってて」という返事。

7/7
朝、問題のあるIPv6ネットワークホストからwgetしてみると、コンテンツが取れるようになっていた。 Azure CDNだけでなく、office.microsoft.comやazure.microsoft.comも、IPv6で正常にコンテンツが取得できる。
EdgeCastからの連絡はまだないが、問題は解消されたように見える。

7/9
EdgeCastから、直ったというメール
  • According to our DNS team, connecting to the IPV6 IP address for VIP cs1.wpc.v0cdn.net, is functioning properly. Internal testing is all working, please assist us by verifying on your end.
  • DNSチームによれば、VIP cs1.wpc.v0cdn.netIPv6接続は正常に動くようになった。内部のテストでは問題ない。あなたの方でも確認してほしい)


こちらから観測する限りは、7/7から動作は正常に戻っていたが、内部のテストに数日を要したというところだろうか。
「こちらでもアクセスできている。ところで原因について可能な範囲で教えてくれないか」と返事をした。

というわけで、設定の問題があったのを直したというのが結論のようでした。
7/10
というわけで、当初の目的は達成されたのだが、これは結局、Azureの障害という扱いになるのだろうか。
マイクロソフトに「今回の件は、『マイクロソフト製品の不具合に起因するもの』になるのでしょうか?」というのを聞いてみた。
ご質問くださいました点についてですが、
Azure CDN は基本的には IPv6 への対応を行っておりません。
免責事項に承諾いただいたご利用者様に IPv6有効化する
仕組みとなっているため、今回の件は不具合には該当いたしません。
何卒ご理解いただけますと幸いです。
というわけで、Azure CDNとしてはIPv6正式対応しているわけではないので、障害じゃないです、ということでした。

IPv6対応していないと言いつつ、CDNエンドポイントIPv6がついてるとかありえなくない?とか、有効かどうかに関わらずIPv6アクセスできてるってのはどうなの?とか、言いたいことは多少ありますが、とりあえず目先の問題は解消されたし、これらはサポート窓口で主張しても解決されないであろう問題なので、この件は、これでおしまいです。


謝辞

皆様ありがとうございました。

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