滋賀県知事選:当選の三日月さん「嘉田知事のバトン継承」

毎日新聞 2014年07月13日 23時52分(最終更新 07月14日 00時33分)

滋賀県知事選で当選確実となり、嘉田由紀子知事(左)から花束を受け取る三日月大造氏=大津市内で2014年7月13日午後10時41分、三浦博之撮影
滋賀県知事選で当選確実となり、嘉田由紀子知事(左)から花束を受け取る三日月大造氏=大津市内で2014年7月13日午後10時41分、三浦博之撮影

 ◇集団的自衛権の閣議決定、安倍政権や自民批判が追い風に

 13日投開票された滋賀県知事選は、前民主党衆院議員の三日月大造(たいぞう)さん(43)が、元経済産業省官僚の小鑓(こやり)隆史さん(47)=自民、公明推薦▽共産党県常任委員、坪田五久男(いくお)さん(55)=共産推薦=を破って初当選を決めた。2期8年務めた嘉田由紀子知事(64)と二人三脚で選挙戦を展開し、国の言いなりにならない「草の根自治」を訴えた。集団的自衛権の行使を容認する閣議決定などが選挙戦にも影響。安倍晋三政権や自民党への批判が追い風となり、勝利を後押しした。

 三日月さんは、大津市のホテルで「みんなで力を合わせて滋賀を良くしようと訴えたことが多くの支持につながった。嘉田知事のバトンをしっかり継承し、発展させる」と述べた。嘉田さんも駆け付け、「地域のことは地域で決める。滋賀県民の勝利だ」と笑顔を見せた。

 三日月さんはJR西日本社員などを経て2003年の衆院選に民主党から出馬し、初当選。12年12月には比例近畿で4選を果たした。今年3月、進退を明らかにしていなかった嘉田さんに立候補の意向を伝えた。

 嘉田さんは10年の前回選で民主党と共闘して過去最多の約42万票を集め、今回も3選出馬を検討していた。三日月さんとの共倒れを防ぐため調整した結果、嘉田さんが不出馬を表明、三日月さんの支援に回った。

 衆院議員を辞職、民主党を離党して知事選に臨んだ三日月さんは「嘉田知事の『もったいない県政』を継承、発展させる」と主張。原発問題では嘉田さんにならって「卒原発」を掲げ、「一日も早く原発に頼らないエネルギー社会を滋賀からつくりたい」と訴えて無党派層に支持を広げた。

 また、「安倍さんは、集団的自衛権を与党だけでいとも簡単に閣議決定したが、知事を決めるのは県民」と批判。続々と国会議員らを応援に送り込む選挙手法について、嘉田さんも「自民党は数にまかせてやりたい放題だ」と訴えた。

 選挙結果について、陣営関係者は「有権者が良識を示し、安倍政権にノーを突き付けた」と語った。【加藤明子】

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