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80億円をドブに捨てた「サハリン(樺太)残留韓国人」への支援

産経新聞 7月13日(日)9時42分配信

 産経新聞の連載小説「アキとカズ」は終戦後、樺太に残され、ソ連(当時)によって、故郷へ帰ることが許されなくなった人たちをモデルにしている。

 1990年前後から本格的に、政治問題、外交問題化した「サハリン(樺太)残留韓国人問題」を知っているだろうか?

 「戦争中、日本は『4万3千人』もの朝鮮人を樺太に『強制連行』して、炭鉱などで苛酷な労働に就かせ、終戦後は終戦後、日本人だけは樺太から引き揚げたのに、朝鮮人は『置き去り』にされた」として、当事者らが日本政府の責任を問うた問題である。

 もちろん事実ではない。とりわけ『』の部分は、悪質なウソである。

 「自虐的」な日本人国会議員、弁護士、知識人、メディアがまず、こうした悪質なプロパガンダであおり、野党や韓国政府が飛びつき、政治問題、外交問題化させてしまったのだ。

 (1)連載小説でもたびたび登場するように、樺太に渡った朝鮮人は『強制連行』ではない。高賃金にひかれて自ら海を渡ったのだ。樺太の場合、昭和19年9月から朝鮮人に適用された「徴用」もほとんどない。

 なぜならば、そのころになると樺太周辺の制海権が怪しくなり、島内の炭鉱は閉鎖。そこで働いていた朝鮮人労働者の多くは、九州などの炭鉱へ配置転換になっているからだ。

 (2)このため、同年6月に2万8千人いた樺太の朝鮮人は終戦時には多く見積もっても「1万5千人」。『4万3千人』という数字は戦後、ソ連が現在の北朝鮮地域や大陸から連れてきた新たな朝鮮人(つまり日本とはまったく無関係)を含めた数字である。

 (3)終戦後、朝鮮人だけを樺太に『置き去り』にしたのはソ連である。すでに冷戦下の東西対立が始まっており、ソ連は、アメリカ軍政下にある朝鮮半島の南部分(現在の韓国)への帰郷を許さなかった。日本人が引き揚げた後の樺太経営のための労働力に朝鮮人を充てる狙いもあっただろう。いずれにせよ、日本は当時、「占領下」にあり、米ソ間で昭和21年に結ばれた引き揚げ協定に口出しはできなかったのである。

 だが、政治問題、外交問題化したとき、日本政府は“お家芸”で幕引きを図ろうとする。事実でもなく、責任もないのに、謝罪し、「人道的見地」からの支援(つまりカネだ)によって丸く収めようとした。

 樺太に残されていた朝鮮人が韓国に帰るための旅費、韓国に永住帰国したときに住む高級アパートの建設。事情で樺太に残り続ける朝鮮人には、韓国の親類に面会するための旅費、ホテル機能もついた会館の建設、移動のためのマイクロバス…。まさしく、いたれりつくせりの手厚い支援は膨れに、膨れ上がって現在まで約80億円に上る。

 事実でもなく、責任もないのに、謝罪し、「人道的見地」からの支援によって丸く収めようとした−構図はそっくり「慰安婦問題」にもあてはまる。国民の血税をドブに捨てる国賊行為に他ならないではないか。(「アキとカズ」作者、喜多由浩)

最終更新:7月13日(日)14時51分

産経新聞

 

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