【ワークショップレポート】6/26開催「ハッカソンのやり方を学ぶ」 #codeforjapan

Code for Japanは、実際に地域活動をする各地のCodeforコミュニティの方が、どんなことをしていけばいいのか?の活動イメージをもっていただいたり、同じような活動をしている人とのネットワーキングのため、月に一度活動支援の一環としてワークショップを行っています。

今月は先月行った「アイデアソンのやり方を学ぶ」からバトンをうけ、その続きとして、Code for Japan代表でもある関さんから「ハッカソンのやり方を学ぶ」のお話しいただきました。

ただ、今回のお話は、ハッカソンのHowtoではなく、企画設計面でのお話になります。詳しくは関さんの講演資料をご覧ください。

過去に行われたワークショップのテーマは以下になりますのでこちらもご興味あればごらんください。

 2月・・・自分たちの街の5374.jpをたちあげよう
 4月・・・街路樹マッピングパーティ@たまプラーザ
 5月・・・アイデアソンのやり方を学ぶ

■ハッカソンのやり方を学ぶ──

ハッカソンを検討しているみなさま。ハッカソンは
 ・人さえ集まれば比較的に簡単にできる
 ・はじまってしまえばあまりコントロールできない
んです。

コントロールできることは、
 ・どれだけインプット情報を準備するか
 ・どんな人を集客するか?
という、ハッカソン前の準備ぐらいです。
でも、その準備などの企画部分こそが重要です。

と、まず話されてから、続いてシビックハッカソンを企画する際の注意点として、以下の5つについてお話しいただきました。

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ではそれぞれについて説明したいと思います。


ハッカソンの実施を目的にしない
 ハッカソンはただのツールであり、何のためにやるのか?が大事です。
 目的の例としては以下のものがあげられます。

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ステークホルダーの期待値をしっかりあわせる
ハッカソンで生まれるのはコンセプト、プロトタイプレベルのものです。ハッカソンだけでサービスが生まれることを期待しないことを伝えます。
また主催者の思惑と、参加者のモチベーションのすりあわせも重要です。

ソーシャルメディアと社会学の雄であるクレイ・シャーキーいわく「ハッカソンはアウトプットを生むものではなく、ソーシャル・キャピタルを生むものだ!一つのテーブルでいろんな立場の人が話し合って次の何かが生まれるどじょうになるんだ。」といっていますが、まさにその通りだと思っています。
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テーマ設定がとにかく重要
打ち合わせの際には、テーマ設定に一番時間をかけます。
ちょうどよい制約条件を探したりもします。(っがここはちょっと言語化できなかったそうですorz)

アイデアソンを使って市民を巻き込む
アイデアソンを使って市民を巻き込みましょう。アイデアソンは技術者以外を巻き込める場です。ユーザニーズが反映されないハッカソンでは良いアウトプットは生まれません。想像で作ったものはだいたい使われません。利用する人の生の声を聞く機会として、アイデアソンはとてもいい場です。

成果をちゃんと公開することが重要
ハッカソンの成果を公開することが、次の成果へつながります。
写真撮影、ハッシュタグ、ブログなど事前に決めて行うことも重要です。ただ、知的財産権の処理や肖像権などには気をつけてください。
同意書の例としては、前回のアイデアソンの際と同様、「メイカソン参加同意書とFAQ」をご紹介いただきました。

 

次に、利用者のニーズを組み込みむ工夫をした具体的な事例として、CodeforNamieのやり方をご紹介いただきました。
 ●企画設定の工夫
  └テーマの制約は「タブレット端末」
  └イベントの出口は「実際に作られるサービスの仕様書の参考とすること」
 ●アイデアソンの工夫
  └1つのテーマで複数のアイデアソン実施(1回の開催ではひろいきれないイシューがあったため)
  └ペルソナの提示(利用者の生活をより具体的にイメージしてもらいたいため)
  ※ペルソナは避難者の住居に訪問し、デプスインタビューをして事前に作成
 ●ハッカソンの工夫
  └メンターの手配(参加者だけの化学反応だけよりもクオリティがあがる)
  └イベント中にプロトタイプを町民に利用してもらい意見をもらう
  └審査員は町民の方
  └発表時間のコントロールは緩めに(競技性が低いので)


目的を達成したい際に、ユーザーの声を取り入れる努力をしてほしいと思っています。とのことでした。
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ハッカソンのやり方のHowtoに関しては、CCLさんのマニュアルをご紹介いただきましたので、そちらを参照ください。チェックリストなどもあります。
 http://www.slideshare.net/cc-lab/ver10-30250006 

■質疑応答──

次は参加者の方からの質疑応答です。

質問:エンジニア不足に対する対策は?
回答:参加者のコントロールは一番大変で難しい。参加の際に、職種をいれてもらって、少ないとおもったら一本釣りで集めていく。 メンターとして謝礼を払ってでも呼ぶ。定員に対してバランスを持ちたい際には、枠を分けておくこともします。(エンジニア20名、その他20名のような形)

質問:アイデアソンとハッカソンが別イベントで行われ、両方に参加してない際のアイデアソンの思いはどのようにハッカソンでひきつがれるのか
回答:なるべく連続できてくれることを推奨します。アイデアソンのチームメンバーが誰もいなければ消滅することが多い。 つながってないものも多い。 スタッフは両方出席していたりするので、スタッフが想いを代弁する形を次はとろうとしています。

質問:テーマと違ったアウトプットがでてくることもあるとおもうが、解決に直結してない場合コントロールすべきなのか?
回答:テーマ設定をどのぐらいストリクトにするのかによる。 アイデアソンからハッカソンのさいに、インプットセミナーを追加するなどして機動修正することはある。 

質問:質のいいものを作るためには市民の方が参加することは重要だとおもうのですが、 市民をどうやって巻き込んだのか?
回答:町の方から個別に説得してまわった。広報誌にのっけてもらった。 あの人ならまわりにつながっているので、その人を巻き込む。 アイデアソンという言葉をかえて呼ぶのはありかもしれない。 観光を考えるワークショップというタイトルにするなど。

質問:エンジニア以外の人はハッカソン中に暇になったりしますが、その人にどんなことをしてもらえばいいですか? モチベーションをどうもたせたらいいですか?
回答:主催者側からはコントロールできない。 でもうまくやっているチームをみると、画像を探してください、テキスト考えてくださいなどしている。やることがなければ途中で抜けてもらったりしてもいいんじゃないですか? 
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■グループワーク───

後半は、現在アイデアソン、ハッカソンの実施を予定している人の企画を、お寿司とビールを飲みながらみんなで考えるというグループワークを行いました。
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そして、そこで話し合われたことを発表し、さらにほかのチームの方からも意見をもいただきました。

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今回のイベントの感想で「抱えていた企画を相談できて得した気分」と書いていただきました。
今回のグループワークのように相談できる「場」があるといいなっとも思いました。
(※毎週木曜日に井戸端会議というCfJのイベントがあるのでそこにきてもらえるといいかも。イベント情報でチェック!)

最後はみなさまで集合写真!シビックの「C」を表現!!
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2枚目は全身で「C」を表現w
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お疲れ様でした!

当日のイベントの様子は以下でも振り返られますので是非ごらんください。
 ・イベントのつぶやきまとめ
  →http://togetter.com/li/685555
  ・イベント動画


次回のワークショップは7月31日(木)19:00~@銀座
「Code for America Brigade活動に学ぶCode for X運営のヒント」
になります。申し込みはこちらから。
 →http://codeforjapan.doorkeeper.jp/events/13041


■イベント情報
Brigadeワークショップは以下のコミュニティページなどにて発信していますので、ぜひご登録をお願いいたします。
 ・DoorKeeperコミュニティ:http://codeforjapan.doorkeeper.jp/
 ・Facebookグループ: https://www.facebook.com/groups/codeforjapan/

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 ライター:鈴木まなみ(@Rin2tree)

今回参加いただいた皆様の声の一部をこちらでご紹介します。
<勉強会の感想>
・ハッカソンを開催するにあたり、具体的な話がきけてよかった
・シビックハッカソンのポイントがよくわかりました
・グループワークをやってみてテーマ設定の難しさ重要さを認識しました
・ハッカソンに参加したことがありませんが、様子がわかりました
・個人の価値あるアイデアの可視化とハッカソンへの受け継ぎがとても必要事だと思った
・今日抱えていた企画を相談でき得した気分
・ハッカソンを開催するにあたって考慮すべきこと、課題として検討すべきことが理解できました
・あまり聞く機会のないハッカソンの舞台裏を知ることができおもしろかった
・オンライン参加者とのコミュニケーションに改善の余地がありそうです
・イベントの名前の付け方が集客に影響大というのがわかりました

<今後開催を期待する勉強会のテーマ・内容>
・ハッカソンの後の話など・・・さまざまな実例性の声をきいてみたい
・シビックテック系ソフトのハンズオン
・事例研究
・海外、国内問わずCodeforXXで実施されている内容のシェア
・アイデアをハッカソンに引き継ぐ解決方法を探りたい
・CodeforJapanの短中長期計画などの説明をしてもらいたい
・Brigadeの進め方
・特に自治体向けに、オープンデータ活用事例の紹介(海外事例含め)


今回のブログを書き、シビックハッカソンに関して、自分の中の考えがだいぶ整理されました。・・・がまだまだ言語化するまでいたらないので、どこかでお会いした際に、いろんな人とお話できたらいいなっと思います。
ただ一ついえることは、せきさんの紹介にもあったクレイ・シャーキーのこの言葉はシビックハッカソンにこそ、まさに当てはまる言葉だなっと思います。
「ハッカソンはアウトプットを生むものではなく、ソーシャル・キャピタルを生むものだ!一つのテーブルでいろんな立場の人が話し合って次の何かが生まれるどじょうになるんだ。」