あいさつ料名目で建設業の男性から4千万円を脅し取った恐喝罪で、懲役6年の判決が確定した指定暴力団山口組(総本部・神戸市)ナンバー2の高山清司元被告(66)が24日、大阪拘置所に収監された。組長の“懐刀”とされ、厳しい管理体制で山口組を統率する一方、他団体との共存路線を進めた元被告。警察当局は、収監の影響を見極めるため情報収集を進めている。
「山口組の内部や他団体とのパワーバランスが変わる可能性もある」。収監直後の24日午前、兵庫県警の幹部はこう指摘した。
元被告は、山口組の篠田建市・6代目組長と同じ直系団体・弘道会(名古屋市)の出身。篠田組長が銃刀法違反罪で服役中は、その指揮を代行した。
「信賞必罰」を掲げて内部を厳しく統制し、反発する直系組長が大量処分される騒動も起きた。2011年4月の組長出所後も締め付けは続き、警察との対決姿勢を強め、情報統制が徹底されている。
一方、ほかの指定暴力団とは友好関係を築き、傘下団体には抗争を避けるよう厳命。暴力団排除が進み資金源が細る中、トップの「使用者責任」を認める司法判断も相次いでおり、抗争で資金や組織力を消耗するのを防ぐためとされる。収監直前には山口組と他団体の幹部が会談し、今後の「共存関係」を確認し合ったという。
元被告は無罪を主張していたが、1審、2審とも有罪判決。上告を取り下げた意図について、捜査関係者の間では「早期に服役を終え、社会復帰を急ぐ狙い」との見方が強い。
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