最後を締めたミコライオ(右)を笑顔で迎える広島・前田(左)=ナゴヤドームで(金田好弘撮影)
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◇広島3−1中日
中日の連勝は3で止まり5割復帰はならなかった。広島先発の前田を打ちあぐね8回に代打小笠原、大島の連打で奪った1点のみ。山井は7イニング1失点と好投したが、今季初黒星。広島は連敗を4で止め、12年ぶりに前半戦の勝ち越しを決めた。前田は9勝目。
雨でスライド先発になってもお構いなし。6回、大島の1球目を投げた時に左足を踏み外し、バランスを崩してもへっちゃらだった。広島の前田は4位・中日に対し、8イニング1失点。チームの連敗を4で止めた。自身は4連勝でリーグトップに並ぶ9勝目。防御率は単独トップを守る2・08。収穫たっぷりに前半戦最後の登板を終えた。
「調子はさほどでもなかったけど、粘り強く投げられたのが良かった。最近、連勝しているせいもあるけど、投球ミスがなく投げられているのが結果として出ているのかな」。大粒の汗をぬぐいながら投球を振り返った。
中日戦は今季4度目の先発。勝利を手にした試合後は「大島さんには相性が良くない(前回まで9打数5安打)ので、打たれないようにすること。3、4、5番も調子いいので、向こうの得点パターンにならないようにピッチングをすること」と、登板前に描いた投球プランを明かした。
この日も大島には8回無死一、二塁から中前適時打されたものの、先頭打者だったそれまでの3打席はすべて抑えた。中日のクリーンアップも4回に森野に安打を許したものの、3人で10打席、1安打1四球だけ。6回2死三塁の同点のピンチにはルナをスライダーで空振り三振に。思わず右手でガッツポーズが飛び出した。
スタンドでは、ヤンキースのトレイ・ヒルマン育成担当特別補佐が視察。今オフ、ポスティングシステム(入札制度)でのメジャー移籍を希望している前田だけにメジャー関係者も数多く視察に訪れるが、自身にはチームの優勝しか頭にない。「オールスター明けは大事な試合が続くし、そこでしっかり勝てるようにしておかないと意味がないですからね」
チームは2002年以来、12年ぶりに貯金生活での折り返しが決まった。ナイターで阪神が敗れたため2位に再浮上したが、ナゴヤドームの左半分を埋め尽くしたカープファンの願いは、1991年以来23年ぶりの優勝だ。 (宮脇渉)
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