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ジュゴン痕跡確認 工事中止訴え
7月9日 16時29分

アメリカ軍普天間基地の移設が計画されている沖縄県の名護市辺野古沿岸部の埋め立て予定地で、国の天然記念物のジュゴンが海草を食べたとみられる跡が大量に見つかり、調査を行った自然保護団体は、ジュゴンの生息環境を守るため工事を中止するよう求めました。

普天間基地の移設先となっている名護市辺野古沿岸部の埋め立て工事が環境に与える影響を調べるため、日本自然保護協会などは、国の天然記念物で絶滅危惧種のジュゴンの生息調査を行いました。
ジュゴンが海草を食べる際には、1列に刈り取られたような特有の痕跡が残りますが、調査の結果、今月上旬までのおよそ2か月間にジュゴンが食べたとみられる跡が、埋め立て予定地で100本以上見つかったということです。
防衛省が沖縄県に提出した環境影響評価書では、ジュゴンが海草を食べた跡は辺野古地区では確認されず、工事が生息環境に与える影響はほとんどないと考えられるとされています。
しかし、今回の調査結果からは、ジュゴンが埋め立て予定地にある海草を餌場として利用していることが推測されるとして、協会では生息環境を守るため防衛省に工事を中止するよう要請することにしています。
9日、東京都内で記者会見した日本自然保護協会の亀山章理事長は「餌場が減少してジュゴンに大きなダメージを与えるおそれがあり、埋め立て事業は即時中止して、再度調査をするべきだ」と話しています。

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