辺野古:ジュゴンの餌場? 環境NGO食跡110カ所発見
毎日新聞 2014年07月09日 19時28分(最終更新 07月09日 20時24分)
環境NGO(非政府組織)「日本自然保護協会」は9日、米軍普天間飛行場(沖縄県)の移設予定地になっている名護市辺野古沿岸とその周辺で、絶滅が懸念されているジュゴンの海草を食べた跡が多数見つかったと発表した。沖縄防衛局はジュゴンが同沿岸をほとんど利用していないと主張しているが、餌場にしている可能性が高まった。
調査は5月16日〜7月5日に実施。海草が生えた藻場に、ジュゴンが泳ぎながら食べた跡が110カ所以上見つかり、その跡が複数の筋となっていた。また、従来は浅瀬のみを利用していると考えられていたが、水深約20メートルの藻場でも跡が見つかった。
さらに、辺野古沖1キロの洞窟内でサンゴの破片が付着して成長した鍾乳石が見つかった。国内で報告例がないといい、同協会は「埋め立て工事で潮流が変化すれば保存が難しくなる」と指摘した。
沖縄防衛局は2012年に作成した環境影響評価書で「埋め立て予定地でジュゴンの活動は観察されず、埋め立てても直接的な影響はない」と結論付けた。
同協会の亀山章理事長は「埋め立て事業を中止し、貴重な辺野古沿岸海域の保全を求める」と訴えた。【阿部周一】