■「食習慣に答えがある」 徹底した現地化
四角形の容器に入ったパルド社の「トシラク(弁当の意)」は、ロシアのラーメン市場の「帝王」と呼ばれている。現地の市場占有率は60%を超え、ロシアでの販売量は韓国国内の40倍に達している。
同社の麺研究グループのキム・ヨンジョン研究員は「牛骨スープを使う他国向けの製品と異なり、ロシア向けの製品には鶏がらスープを使用している」と説明した。キノコやエビの味と香りが特徴のロシア向け製品は20種類以上ある。
ロシアではマヨネーズをかけて食べる人が多いという点に着目し、マヨネーズを加えた「トシラク・プラス」も人気を呼んでいる。また割り箸ではなくプラスチック製のフォークを容器に入れる戦略も功を奏した。
オットゥギ社は「ポドゥルポドゥル(柔らかな)チーズラーメン」を主力商品として、香港やシンガポールなど東南アジアで人気が高まっている。これは「辛くないラーメン」の市場を見据えたものだ。昨年の売り上げは2012年に比べ40%も増加した。フィリピンの販売店には「イエロー・ゾーン」が設けられた。同社のロゴから「チーズラーメン」の袋に至るまで「黄色」のイメージを消費者の脳裏に刻む戦略だ。チーズラーメンの人気が高まると同時に、一緒に販売している別の製品の売り上げも増えた。一方、三養食品は正統派の辛口ラーメンを広めるとして「プルダックポックム(鶏肉の激辛炒め)麺」を売り込み、東南アジア市場を攻略している。
韓国の各メーカーは、16億人に及ぶイスラム圏市場向けの「ハラール・ラーメン」も開発した。イスラム法に基づき、豚肉由来の原材料などを使わずに製造した製品だ。農心は釜山工場の専用ラインで製造した「ハラール辛ラーメン」をサウジアラビアやカタールなど9カ国に輸出した。三養食品もハラールの認証を受け、マレーシアやインドネシアの市場開拓に乗り出した。