韓国のインスタントラーメンが毎年輸出記録を更新し、韓国の産業界の「風雲児」として頭角を現している。本紙が2日、関税庁の資料を分析したところ、昨年1年間に韓国の食品メーカーが海外に輸出したインスタントラーメンの輸出額は2億1552万ドル(約219億2500万円)となり、過去最高を記録した。今年の輸出額も5月末までで9000万ドル(約91億5600万円)に達し、記録の更新は確実とみられている。
業界関係者たちは「輸出するラーメンのほかにも、現地の工場で生産された製品まで含めた海外での売上額ははるかに大きく、『ラーメンの韓流ブーム』を巻き起こしている」と語った。アジアはもとよりアフリカ、中南米に至るまで、全世界の人々が韓国のラーメンを文化商品として受け入れているということだ。それに加え、各国の人々の好みに合わせた商品を開発する韓国企業の「オーダーメイド型戦略」も功を奏し、韓国のラーメンは現在、124カ国に広まっている。
■「地球の果てまで浸透」
ケニアの首都ナイロビの中心部にある大型スーパー「ナクマット」の売り場。きらびやかな貴金属を体に巻き付けた客たちが「シン(辛)カップ」の前に集まり、「モト(火花の意)」「ピリピリ(唐辛子)」と口にしていた。「食べたら舌が焼けるような感じだ」と言いながらも、「シンカップ」を箱ごと購入していた。
「シンカップ」とは、農心の「辛ラーメン」を略した呼び方だ。インド製やタイ製のラーメンに比べ、価格は3倍以上も高いが、最近飛ぶように売れている。昨年末、ケニアで唯一のテレビショッピングで紹介されたことにより「プレミアム商品」として人々の注目を集めた。テレビショッピングの番組では、司会者が「シンカップ」を自ら作って宣伝した。
農心は今年5月、アフリカ北部のニジェールやアルジェリアにも進出した。イ・ヨンジェ海外事業本部長は「アフリカ東部のケニア、南部の南アフリカ、北部のニジェールを拠点とし『黒い大陸』への浸透を図っている。少なくとも3年から5年先を見据え、『地面に向かってヘディングする』覚悟で攻略を進めている」と語った。
これだけではない。南太平洋の小さな島国であるバヌアツやキリバス、ナウル、ツバルなどでも「コリアン・ラーメン」が流行している。日本のメーカーが現地市場を独占していた10年ほど前には想像もできなかったことだ。だが最近、現地の住民たちは「ギブ・ミー・レッド・パッケージ(赤い袋のをください)」と口にしている。「辛ラーメンをください」と言っているのだ。