脱法ドラッグ4人変死、通報も急増 口から血を流しながら「殺してくれ」
産経新聞 7月12日(土)7時55分配信
東京・池袋で車が暴走して8人が死傷するなど脱法ドラッグをめぐる事件・事故が相次ぐ中、都内で5、6月に脱法ハーブなどの脱法ドラッグを使用していた疑いがある男性4人が変死していたことが11日、警視庁への取材で分かった。男性3人は5月、精神錯乱状態で警視庁に保護された後に死亡し、脱法ハーブを所持していた男性は6月、ビルから飛び降りた。脱法ドラッグ絡みの110番通報も今年1〜6月に前年に比べ65件増の264件と急増している。
警視庁によると、5月25日午後6時半ごろ、新宿区西新宿の路上で、中野区の男性(30)がはだしで口から血を流しながら「殺してくれ」と叫んで暴れているのを新宿署員が発見。保護した後に容体が急変し、搬送先の病院で27日午後5時45分ごろに死亡した。
男性は脱法ハーブとみられる植物片を所持しており、自宅からも植物片が見つかった。司法解剖の結果、死因は薬物などで過度の興奮状態から急に鎮静状態になったことで心臓や呼吸が止まった可能性があることが分かった。
5月11日には目黒区内で会社役員の男性(37)、同31日には港区内で無職男性(37)が警察官に保護された後に死亡。2人とも脱法ハーブなどの脱法ドラッグを使用していた疑いがあるという。
脱法ハーブを含む脱法ドラッグが絡んだ110番通報は今年1〜6月に前年比65件増の264件。7月1〜9日だけでも34件に上った。ある警察署では脱法ドラッグ絡みの事案が週に2〜3件あるという。
6月6日未明には新宿区内のバーで、男性(30)がシャンデリアにぶら下がるなどの奇行を繰り返し、店員が交番に連行。男性は「脱法ハーブを吸った」と話したが、所持していた植物片の提出を拒否。同日早朝、近くのビルの屋上で叫んだ後、転落死した。家族から脱法ハーブの使用をとがめられて新宿に向かったといい、新宿署は飛び降り自殺とみている。
杏林大法医学教室の佐藤喜宣教授によると、昨年、同大で行政解剖した変死体約300件のうち、脱法ドラッグなど薬物が死因とみられるのは3件。可能性を含めると約10件に上る。昨年、全国で約1万人が行政解剖されており、単純計算で数十人が脱法ドラッグが原因で死亡した可能性がある。佐藤教授は「覚醒剤などと同様に毒性が高く、命を奪いかねないという認識が甘い」と指摘している。
最終更新:7月12日(土)15時2分
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