号泣県議辞職:議会が野々村氏を刑事告発
毎日新聞 2014年07月11日 21時11分(最終更新 07月12日 12時09分)
政務活動費の不自然な支出が問題になっていた野々村竜太郎・兵庫県議(47)=無所属、西宮市選出=が11日、議員辞職した。野々村氏は議会の調査に支出の正当性を訴える一方で、初当選以降に支給された政活費計1834万円全額を返還する意向を示した。県議会は同日、野々村氏を虚偽公文書作成・同行使容疑で県警に刑事告発、受理された。支出を伴わない記載だと裏付けられれば詐欺容疑に問われる可能性もある。
県議会はこれまで、野々村氏の2013年度まで3年間の政活費(11、12年度は政務調査費)を調査。9、11両日に神戸市内で事情を聴かれた野々村氏は11日、議会事務局側が用意した辞職願に署名し「県民、知人らに多大な迷惑をかけた。責任を取って辞職したい」と述べたという。辞職願は梶谷忠修(ただお)議長に提出され、各会派代表者会議で辞職が確認された。
議会事務局によると、野々村氏は調査の中で、年間195回に及んだ日帰り出張について「間違いなく行った」と繰り返し主張。証明資料は「全く何もない」とし、面会相手についても「言えない」と述べた。約176万円分もの切手購入については送付先を「発送する度リストは破棄しているので、ない。パソコンのデータも一切ない」と回答。スーパーで頻繁に買い物をしていたことについては「全て文具」と述べた。
県議会は、JR西日本や切手を購入した金券ショップにも確認を求めたが、個人情報を理由に協力を得られなかった。
刑事告発は大雨で特急が夕方まで運休した昨年9月2日の城崎出張などが対象。記者会見した松本隆弘副議長は「きちんとした説明が全くなかった。議員としてあるまじき行為で怒りを感じ、残念で仕方がない」と述べた。県議会は9月に政活費の検討会を設置し、議長の調査権限を強化するよう条例改正する方針。【久保聡】