水曜日のオランダ戦の前に友人たちと話をした時、私はアルゼンチンが絶対にPK戦で勝つと言っていた。クレイジーだと言われたが、そんなことはない。試合が長引けば長引くほど、アルゼンチンが勝利する可能性は高まっていくと分かっていた。

非常に激しい戦いとなったが、セルヒオ・ロメロが決定的な仕事をしてくれたことを本当に嬉しく思っている。彼とは私がラシンで引退した時にチームメートだったが、謙虚で熱意のある素晴らしい男だ。アレハンドロ・サベジャが彼を信頼し続けた結果として、そのことから来る自信と継続性、そして昨シーズンのモナコであまりプレーする機会がなかった選手にこだわり続ける勇気といったもの全てが結果を生むことになった。

こういう形でサベジャにとってうまくいったことは非常に嬉しい。監督にとって、ある選手を信頼し続けるのか、別の選手を入れるのかの決断は常に難しいものだからだ。いつも正解するとは限らないが、今回はそれが完璧にうまくいったということだ。

PK戦の前にはハビエル・マスチェラーノがロメロに、彼がヒーローになると話していたそうだ。何も驚くべきことではない。マスチェラーノはキャプテンではないとしても、リーダーの資質がある者がリーダーシップを発揮するためにアームバンドは必要ではない。マスチェラーノはどこでプレーしてもそれを見せてきた。人間としての強さがある、そういう選手だ。

彼は強いパーソナリティを持った男であり、決定的な場面でチームメートをサポートすることでリーダーシップのスキルを示した。

決勝の舞台に戻ってくることができたのは、アルゼンチンのサッカー界にとって非常に大きな意味のある瞬間だ。チームを日曜日の試合へと導いた選手たちや、コーチングスタッフ、この国のサッカー界全体に至るまで、全員にとって歴史的な瞬間となった。このままチームが世界チャンピオンになれたとすれば、未来に向けて成長を続けていくための非常に大きなステップになる。

だがその前に、ワールドカップで3大会連続となるドイツとの対戦が待っている。両チームにとってプレッシャー以上に大きな責任を背負っての戦いとなる。

ヨアヒム・レーブは素晴らしい監督だ。彼はこの数年でドイツを攻撃的なチームとして大幅に成長させてきた。彼らが成功を収めているのは偶然ではない。ユルゲン・クリンスマンのアシスタントとしての仕事から、現在の監督としての仕事まで、彼はチームを大きな成長へと導いてきた。彼の作り上げたエキサイティングなチームは成長を続けており、ますます良いサッカーをするようになっている。

ドイツを破るのは大変なことだが、そのために必要なことはサベジャが誰よりもよく知っているだろう。彼は今ドイツがやっていることを細部に至るまで全て研究しているはずだからだ。

ドイツは非常に堅固で組織の整ったチームだが、アルゼンチンの有利に働くかもしれない部分が1つあると思う。彼らの高いディフェンスラインがそれだ。ドイツは高いラインを敷いて戦っており、リオネル・メッシやゴンサロ・イグアインのスピードはそれを突破するために非常に重要になるかもしれない。ドイツが特に注意しなければならない相手はこの2人と、コンディションが整えばアンヘル・ディ・マリア、それからセルヒオ・アグエロだ。

ドイツはほとんどハーフウェーラインを越えるかのような位置で守っており、これは大きなスペースを空けていることを意味する。おそらくそれが、アルゼンチンがドイツのオフサイドトラップを突破するための鍵を見つけられる場所だろう。

1986年のマラドーナと同じく、メッシは決勝でドイツと戦うことになる。今回はこれほどの重要な場面で、メッシがベストの姿を見せてくれることをアルゼンチン国民全体が願っている。

だが、比較することはできない。メッシが良いプレーをできずにアルゼンチンが優勝したとしても、彼はチャンピオンとして称賛されるだろう。だが彼が本当に良いプレーをして、それでも勝てなかったとすれば、何を言われるだろうか？

サッカーは変化してきたし、チームメートも対戦相手も違う。時代の異なる選手たちを比較するのはフェアではないと思う。ディ・ステファノとペレ、ペレとマラドーナ、マラドーナとメッシを比べることはできない。時代は変わっている。好みを持つのは人それぞれだが、それは個人的なチョイスでしかない。私はそう考えている。

純粋にサッカー的な観点から言えば、決勝は五分五分だと思う。だが、感情的な観点だけから見たとすれば、私はアルゼンチンがPK戦で勝つことになると信じている。

ブラジルの最も痛みを伴う敗戦

ブラジルに起こったことは普通ではないし、今後も同じことはそう簡単には起こらないだろう。ブラジル代表にとって、監督にとって、そして何よりもブラジルの人々にとって非常に悲しい日だった。より優れた力を持ち、容赦のないドイツと激突することになってしまった。サッカーはゲームであり、こういうことは予測不可能だが、起こり得るものだ。それがワールドカップの舞台で、ブラジルに起こってしまった。おそらく最も大きな傷をもたらす場所で起こったということだ。

マンジュキッチは大きな力になる

マリオ・マンジュキッチは素晴らしい選手で、ここ数年バイエルンで非常に高いレベルの戦いを続けてきた。我々の望む形のプレーのために重要となるストライカーだ。彼が我々のためにベストの力を発揮できるように、彼と一緒に必死に頑張っていくつもりだ。彼が個性の強さや気概を見せ、ゴールを決めてくれることで、他の選手たちと一緒に力のあるチームを作り続けていけるよう願っている。彼がアトレティコの偉大なストライカーたちの系譜に連なることを期待しよう。