ブルボン「プチ」が巻き込まれたハラル騒動
"豚エキス使用"がインドネシアで大炎上
5月の中頃、ブルボン「プチ」シリーズのコンソメ味ポテトチップスが回収に追い込まれ、あわや不買運動に発展する寸前となった。ただし、場所はイスラム教徒が9割弱を占める、インドネシアでのことだ。
ことの経緯はこうだ。東京の大学に留学していた女性が、インドネシアで最大のコンビニチェーン、インドマレットに買い物に行ったことに端を発する。漢字が読める彼女は、そこで販売されていた「プチポテト コンソメ味」の裏側をみて衝撃を受ける。なんと「豚エキス」が含まれていたのだ。そこで早速、彼女はフェイスブックで同胞のムスリム(イスラム教徒)に警告を発した。
これを現地のオンラインニュースサイトなどが取り上げたため、騒動は燎原の火のように広まった。その過程で、「ブルボンが販売していたビスケットの原料に豚由来のものが含まれていたことが発覚」など、ややセンセーショナルな伝え方をされたことも油を注ぐ結果となった。
女子大生が訴えたかったこと
だが、フェイスブックで警告を発した彼女が最大の焦点としていたのは、実は「プチポテト コンソメ味」に豚エキスが入っていたことではない。インドマレットが「プチポテト」を非ハラル商品の棚に置かず、ハラル商品と接して置いていたことだった。
「ハラル」とはアラビア語で「合法の」「許された」と言う意味を指し、イスラム教の戒律にしたがって作られたものを指す。非ハラルなものは「ハラム」と呼ばれ忌避される。中でも豚は、ハラムの最たるものとされている。