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 NHKの大河ドラマ「八重の桜」の主人公・新島八重を紹介する企画展で八重の兄・山本覚馬が所有していたとして展示されていた刀が別人のものだった。出展した同志社大同志社社史資料センター(京都市)の担当調査員が「同志社所蔵の刀なので覚馬所有の可能性がある」と勝手に判断していた。センターは「捏造(ねつぞう)と言われても弁明できない」としている。

 刀は昨年3~9月、東京や福島、京都などで開催された企画展などで「伝山本覚馬所用長巻」として展示されていた。今春、元職員から「刀は覚馬のものではない」との指摘があり、調査の結果、覚馬とは無関係の人物が1889年に同志社に寄贈したものと判明した。覚馬所有を裏付ける資料もなかった。

 センターの布留川(ふるかわ)正博所長は「事態を重く受け止め、再発防止に努めたい」と話した。