*

副島輝人氏

公開日: : 最終更新日:2014/07/13 Blog雑記(diary)

本日未明、ジャズ評論家・プロデューサーの副島輝人氏が逝去されました。ご冥福をお祈り申し上げます。
朝、不破君から電話があり、発表はまだだが亡くなったと聞いて黙っていたが、夕方にツイッターを見たら既にツイートされていたのでビックリした。

1931年生まれだったハズだから幾つだろ?83歳か?
気骨の人だった。
頑固一徹。
最後まで自分の主張は曲げない、貫き通す。
穏やかで人の話を聞いてくれるが曲げない物は曲げない、一貫した熱い人だったように思う。

山下洋輔、イースタシア・オーケストラ、を始め自らが切り開いた、ドイツ、ロシアを含めた海外のフェスに大勢の日本人ジャズミュージシャンを紹介して出演させてくれました。
フェダイン、渋さ知らズ、大友良英、ROVO等々も、最初は彼のおかげで海外のフェスへ出掛けられたのです。

そして、地底レコードでは副島輝人氏の大量の個人所有の70年代のフリージャズテープ・LPの中から、
彼のプロデュースで3作を選びCDにして来た。

■ 高瀬アキ&井野信義「天衣無縫」MC-10003
■ 高柳昌行トリオ「即興と衝突」MC-10017
■ 佐藤允彦&ローレンニュートン「Skip the Blues」MC-10019

来年には、富樫雅彦、スティーブ・レイシー、加古隆、+外人のベーシストのカルテットでの海外録音(何処だったか忘れた)を3部作の最終作としてリリースする話が進んでいたが、それはどうなるのか分からない。だいたいあの大量のテープはどうされたのだろうか?処分してないだろうな?
いろいろな貴重なセッションや熱演の音を何度も聞かせていただいた。
このテープ聞きたいからCD-Rにしてくれとかでね。

他にも「日本フリージャズ史」(青土社)「現代ジャズの潮流」(丸善ブックス)「世界フリージャズ記」(青土社)などがある。ジャズ批評誌やライナーノートを始めその著作で影響を受けた人も多いだろう。

彼の最後のフェイスブックでのメッセージを掲載しておきます。長いですけど。
下記の文の中の、彼の引っ越し先とはお墓のことだった。お姉さんの隣の区画の話が書かれている。
最後を覚り、彼のダンディズムでの謎の言葉の数々。粋だね。

また何か書くことがあるかも知れません

合掌!Unknown

 

引っ越しをすることになった。諸々の事情があって、あまり人には話していなかったが、もう間もなくのことになるだろう。移転先は決まっている。京都府・宇治市。JR奈良線の快速では、京都から18分、奈良からは30分のところ。宇治駅前からタクシーに乗り、清流宇治川を左手に見ながら、それを遡るように山に入って10分程、なだらかな緑の丘があってそこが天が瀬の公園である。J 区 92番地と云えば、門を守る人が案内してくれるだろう。

とても小さな家だ。究極の美意識を持った千利休があらゆる無駄を削ぎ落として創った茶室に倣った訳でもないが、極小空間である。この狭い畳敷きの部屋に幅4尺高さ5段の本棚を1基据えて、オーディオアンプと小型スピーカー、諸プレイヤーとモニターがあればそれで十分。それに読み書きするのに小机一卓。後は私と(後始末の為に少し遅れて来る) 女房の布団2枚並べて敷けば、もう余地はない。

本棚の下2段には、LP, CD, テープ等の諸音源類をいれる。恐らく三分の二はジャズであって、他にクラシック、現代音楽、邦楽、演歌等などだろうけれど、詳細は目下考慮中。上の三段を占めるだろう書籍の選択にも苦労している。一段40冊としてざっと120冊なら、現在の我が家にあるものの八分の一程度。捨てるには惜しいものばかりだ。しかし、厳選してみる。その鍵は、再読、再再読にも新たな対応をしてくれる書籍ということだ。

とりあえずは好きな作家から。福永武彦の「海市」他1~2冊、中上健次「異族」「軽蔑」、井上靖「本覚坊遺文」、高橋和己「邪宗門」、澁澤龍彦「高丘親王航海記」、塚本邦雄「幻想紀行」「連弾」「世紀末伝書」、吉岡実「サフラン摘み」、吉増剛造は何を選ぼうか。「宇治拾遺物語」と「源氏物語・宇治十帖」はもちろんのこと、それに自著3冊等など。更には前回Facebookに記した「私の批評家たち」に挙げた評論集の他に、牧野和春の優れたエッセー「櫻の精神史」、久保田展弘の「山岳霊場巡礼」、海野弘の見事な都市論「ペテルブルグ浮上」なども、置いては行けない。

海外ものとしては、グレアム・グリーン「事件の核心」、レイ・ブラッドベー「火星年代記」、ウィリアム・フォークナー「野生の棕櫚」「響きと怒り」「八月の光」、E・T・A・ホフマンの「黄金の壷」、それにどうしてもアラン・ロブグリエ「消しゴム」、ミッシェル・ビュトール「心がわり」「時間割」、ナタリー・サロート「プラネタリウム」などフランスのアンチロマン派のものが多くなってしまう。詩人としては、ディラン・トーマス、E・E・カミングス辺りが好きなのだ。これに現代美術の画集、写真集を加える。

これらの本を読み返す読書三昧なら結構楽しいだろう。活字に読み疲れたら、当地宇治茶の老舗中村藤吉で仕入れた抹茶を日に二、三服、私の好きな黒楽の茶碗で点てながらフリージャズを聴く。食事は基本的には粗食とするが、時には宇治川での鵜飼いで採れた鮎、京都特有の鱧料理、秋の味覚松茸、更には近江牛のヒレステーキともなれば、取って置きの高級焼酎「森伊蔵」の蓋を開けてチビチビと舐めながらの晩飯となる。
これは妄想なのか、現実なのか。

ならば此処に、葛飾北斎の辞世の句に習って書いておこう。
「人魂で行く気散じは奈良京都」と。

タグ:

関連記事

no image

アースデイ東京2012

アースデイ本日、好評の内に無事終了!! 私が手伝うテントブースでは手作り「万華鏡」が大好評で子供達が

記事を読む

no image

シアターX 公演

独自のスタイルで、またどこか尖ったセンスでさまざまな催し物を紹介する、両国のシアターX の公演をひと

記事を読む

no image

日本レコード協会ISRCとベニシアさん講演会

レコード協会にお金を振り込んだら、ログインパスワードが送られて来た。全ての条件をクリアーしたかと思い

記事を読む

no image

ライジングサン・フェスティバル

北海道良かっただろうな〜。涼しかっただろうな〜。行きたかったな〜。作り物が飛んでったらしいけど。楽屋

記事を読む

no image

南波トモコ「おっぱい」ユーチューブ視聴者

まもなくユーチューブでの南波トモコ「おっぱい」ビデオ映像視聴者が1,000人に届きそうになってきまし

記事を読む

no image

山本シン上京ツアー2012

ウチぐらいしか告知してるとこないであろう、山本シンのライブです。 11/29(木) 高円寺・稲

記事を読む

no image

孤独のグルメO・S・T

孤独のグルメの番組がご縁でホームページを訪れていただいたみなさまに、CD発売当時の案内を掲載させ

記事を読む

no image

USENへのリクエストが可能に

 川下直広トリオ「ナポリタン」B39F、6曲全曲ともUSENでリクエストすることが可能です。USEN

記事を読む

no image

不破大輔4days+1日ライブ@セブンスフロアー

渋谷O-WESTの7Fにある、その名もセブンスフロアーにて下記のライブがあります。 ちょっと他所では

記事を読む

no image

東京スリム『LIVE!』先行発売開始!

言い忘れていましたが、昨日7/25(日)より地底レコード通販にて、東京スリム「LIVE!」先行発売開

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

rogo
地底レコードのCD 一覧

地底レコードレーベル一覧 地底レコード B1F - 渋さ知ら

Unknown
副島氏葬儀の日程

ジャズ評論家の副島輝人氏が7月12日、胃がんのため83歳で亡くなりまし

soejima
副島輝人氏

本日未明、ジャズ評論家・プロデューサーの副島輝人氏が逝去されました。ご

mqdefault
タクシーサウダージのCD扱いあり〼

こんな日本語ボサ・ノヴァ聴いたことない!? 魅惑の低音ボイス

10150736_684886471596545_96776246834772003_n
孤独のグルメSeason4始まったよ記念ライブ!

いよいよ今夜、23時58分からテレビ東京系列でドラマ『孤独のグルメSe

10491987_654167074667865_4460120830533843657_n
オンセントリオ@町田Noize

7月20日(日) 町田Noize 町田市原町田 6-6-

→もっと見る

PAGE TOP ↑