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 大阪市の印刷会社の従業員らに胆管がんの患者が相次いだ問題で、世界保健機関の国際がん研究機関(IARC)は12日までに、印刷機の洗浄用に利用され、原因物質と推定されている化学物質「1、2ジクロロプロパン」を「発がん性がある」(グループ1)と認定した。五つの分類で確実度が最も高い。危険性が世界的に認められ、規制などの対策が進みそうだ。

 IARCはこれまで、1、2ジクロロプロパンについて発がん性物質かどうか分類できない「グループ3」にしていた。専門家らは今回、日本での発症例などを検討し、科学的な根拠は十分と判断した。

 また、やはり原因物質と疑われている「ジクロロメタン」は、これまでの「グループ2B」(発がん性をもつ可能性がある)から「2A」(おそらく発がん性がある)に引き上げた。

 この問題をめぐっては、大阪市の「SANYO(サンヨー)―CYP(シーワィピー)」など全国の印刷職場で従業員らに胆管がんが続出。印刷機の洗浄剤に含まれる化学物質に高濃度でさらされたのが原因として、これまでに32人が労災と認定されている。