イスラエル:ガザ攻撃継続 首相「国際圧力に屈せず」
毎日新聞 2014年07月12日 11時17分(最終更新 07月12日 11時48分)
【ガザ市(パレスチナ自治区ガザ地区)大治朋子】イスラエルのネタニヤフ首相は11日、パレスチナ自治区ガザ地区での軍事作戦について初めて会見し、停戦を求める国際社会に対し「圧力には屈しない」と述べ、ガザからの対イスラエル攻撃が続く限り空爆を継続する方針を明らかにした。地上侵攻の可能性については「あらゆる選択肢を検討している」と否定しなかった。
首相は今回の空爆の実数(4日間で1100カ所以上)が、2012年11月のガザ空爆時の「2倍のペース」と指摘。イスラエルへのロケット弾攻撃を続けるイスラム原理主義組織ハマスなどに強硬姿勢で臨んでいることを強調した。首相はまた、ハマスなどが「市民を盾に隠れている」とも述べ、ガザ市民の被害の責任はハマス側にあると訴えた。
首相はオバマ米大統領やロシアのプーチン大統領、メルケル独首相、キャメロン英首相らと電話協議したことを明らかにしたうえで、「このような(連日砲撃を受ける)状況をイスラエル市民に強いることは許さない」と述べ、ハマスなどが攻撃をやめない限り停戦はありえないとの考えを明確にした。
ガザからの攻撃を受け、イスラエルでは連日、最大の商業都市テルアビブなどで非常サイレンが断続的に鳴るなど、市民生活に大きな影響が生じている。首相は市民の高まる不安に対応する必要に迫られている。
イスラエル軍は11日、ガザ各地で計235カ所を空爆。ガザ側からのロケット弾攻撃は140発だった。イスラエルが軍事作戦を始めた8日以降、イスラエル側で兵士5人を含む16人が負傷したのに対し、ガザ側では死者107人、負傷者約800人に達している。
イスラエルは先月12日にユダヤ人少年3人が拉致・殺害された事件の主犯をハマスのメンバーと断定。ヨルダン川西岸パレスチナ自治区ヘブロンでパレスチナ人600人以上を逮捕するなど大規模な摘発を実施した。ハマスは事件への関与を否定し、イスラエルへの砲撃を拡大させた。