国連安保理:ガザ イスラエルとパレスチナ側に自制要求
毎日新聞 2014年07月11日 11時21分(最終更新 07月11日 12時43分)
【ニューヨーク草野和彦】イスラエルとパレスチナ自治区ガザ地区のイスラム原理主義組織ハマスの衝突が激化していることを受け、国連安全保障理事会は10日、緊急の会合を開催した。潘基文(バン・キムン)事務総長はイスラエルによる地上侵攻の可能性を踏まえ、衝突の「全面的な拡大の危機」を訴え、双方に自制を要求。だが、イスラエルとパレスチナの代表は非難合戦を展開し、歩み寄りはまったくなかった。
事務総長はパレスチナ人の死者が88人に上るとの報道があると指摘し、「衝突の代償は市民が払わされている」と主張。「ハマスの無差別なロケット弾攻撃を非難するが、イスラエルの過剰な攻撃も容認できない」と語った。
パレスチナのマンスール国連代表は「イスラエルは文民を保護する責任を放棄している」と述べ、武力紛争や占領時の文民保護を定めたジュネーブ第4条約違反だと主張。アッバス自治政府議長が同条約の寄託国のスイス政府に対し、締約国会議の招集を求めたことを明らかにした。
一方、イスラエルのプロソル代表は、ガザ空爆はミサイル製造施設の破壊が目的だとして、「自衛」を主張。ガザからのロケット弾飛来を知らせる警報サイレンの音を15秒間議場に流し、「(イスラエル市民も)逃げ惑っていることを想像してほしい」と訴えた。