[PR]

 イスラエル軍は8日未明、パレスチナ自治区ガザに拠点を置くイスラム組織ハマスを標的とする新たな「境界防衛」作戦を開始し、ハマスの軍事拠点など約50カ所を空爆した。ハマス側もイスラエル南部へのロケット弾攻撃を強めている。イスラエル人少年3人の誘拐・殺害事件をきっかけにした衝突は、拡大の一途をたどっている。

 空爆はガザ全域に及び、ハマス関係者の自宅なども標的になった。ガザの保健省によると、空爆により8日夕までに11人が死亡し、80人以上が負傷した。ガザ中心部では8日、ハマスのメンバーが乗った車が無人機で攻撃され、4人が死亡した。ガザ市内の通りの人影はまばらで、散発的に空爆音がとどろいた。

 イスラエル軍の作戦は、7日夜にハマスの軍事部門がイスラエル南部をロケット弾数十発で集中的に攻撃したことへの対抗措置だ。ハマスは、イスラエルの空爆でハマスの戦闘員7人が死亡したことなどへの報復だとしている。6月中旬以降、ガザからイスラエルへのロケット弾攻撃が続いていたが、ハマスが責任を認めるのは初めて。