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 パレスチナ自治区ガザに拠点を置くイスラム組織ハマスの軍事部門は7日夜、イスラエル南部をロケット弾数十発で集中的に攻撃した。イスラエルの空爆でハマスの戦闘員7人が死亡したことなどへの報復だとしている。イスラエル軍報道官は8日、ハマスを標的とする新たな軍事作戦が始まったと発表した。

 6月中旬に占領地ヨルダン川西岸で起きたイスラエル人少年3人の誘拐・殺害事件に絡んで、600人以上のパレスチナ人が拘束されて以降、ガザの武装勢力によるイスラエルへのロケット弾攻撃が続いている。ガザからイスラエルに向けたロケット弾は、7日だけで80発以上発射された。

 一方、イスラエル軍も空爆を続けている。7日には、予備役1500人の招集を決定。イスラエル南部のガザとの境界に部隊を配置するなど、厳戒態勢を敷く。ただ、イスラエルのネタニヤフ政権は今のところ大規模な空爆には慎重な姿勢で、ロケット弾攻撃に応じて報復空爆をする方針をとっている。

 水面下ではエジプトの仲介で停戦交渉が行われているとされ、ハマスは攻撃を強めて停戦交渉で有利な条件を引き出すことを狙っているとの見方もある。(エルサレム=山尾有紀恵)