パレスチナ:ユダヤ若者6人逮捕 生きたまま火?少年殺害

毎日新聞 2014年07月07日 12時04分(最終更新 07月07日 12時25分)

 【エルサレム大治朋子】東エルサレムに住むパレスチナ人、ムハメド・アブクダアさん(16)が殺害され遺体で見つかった事件で、イスラエル治安当局は6日、若者数人を逮捕したと発表した。詳細は明らかにしていないが、AP通信は未成年を含むユダヤ人の男6人が「国粋主義的な動機」で犯行に及んだと伝えた。アブクダアさんは生存中に火を付けられ焼死したとの情報もあり、反発を強めたパレスチナ人とイスラエル治安当局の間で衝突が続いている。

 アブクダアさんは2日早朝、自宅近くで連れ去られ、近くの森で遺体で発見された。AP通信は治安当局者の話として、東エルサレムでこの前日にパレスチナ人の9歳の男児が誘拐されそうになった事件があり、両事件を調べる中で6人を逮捕したと報じた。

 イスラエルが占領するヨルダン川西岸パレスチナ自治区へブロンでは、ユダヤ人の少年3人が何者かに拉致され、先月30日、遺体で発見された。イスラエルはイスラム原理主義組織ハマスの犯行と断定。このためパレスチナ人の間ではアブクダアさんは「ユダヤ人による報復で殺された」との見方が広まっていた。ネタニヤフ首相は6日、「このような事件は起きてはならない」と非難した。

 イスラエルでは6日も北部ナザレなどでパレスチナ人とイスラエル治安当局が衝突し、近くの幹線道路が閉鎖された。パレスチナのマアン通信は5日、遺体解剖に立ち会った関係者の情報として、アブクダアさんは生きている間に火を付けられ、ほぼ全身にやけどを負い焼死したと報じた。

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