パレスチナ:少年葬儀でイスラエルと衝突 30人以上負傷
毎日新聞 2014年07月05日 10時50分(最終更新 07月05日 11時26分)
【エルサレム大治朋子】イスラエルの占領する東エルサレムで何者かに殺害されたパレスチナ人、ムハメド・アブクダアさん(16)の葬儀が4日、地元で営まれ、数千人が参列した。その後、多数の市民がイスラエル警察に投石し、衝突で30人以上が負傷した。
イスラエルの占領するヨルダン川西岸パレスチナ自治区へブロンでは、ユダヤ人の少年3人が何者かに殺害されたばかり。パレスチナでは、アブクダアさんは「ユダヤ人による報復で殺された」との見方が広まっており、各地でパレスチナ市民とイスラエル治安当局の衝突が続いている。
アブクダアさんの遺体を納めたひつぎはパレスチナの旗でくるまれ、墓地へと運ばれた。「パレスチナを解放せよ」「神は偉大なり」。参列した人々はシュプレヒコールを上げながら歩いた。近くの路面電車の駅は燃やされ、道路にはガラスの破片などが散乱。標識もなぎ倒されていた。
アブクダアさんは2日早朝、自宅近くで拉致され近くの森で焼死体で見つかった。参列したフルドさん(28)は「イスラエルはユダヤ人誘拐事件の捜査と称してパレスチナの村で過大な破壊行為を繰り返している。今回の殺人事件でもイスラエル警察に十分な捜査は期待できず、市民の不満が高まっている」と話した。