イスラエル:不明3少年の遺体発見 ハマス関係者2人捜索
毎日新聞 2014年07月01日 10時38分(最終更新 07月01日 14時37分)
【エルサレム大治朋子】ヨルダン川西岸パレスチナ自治区へブロン近郊で6月12日夜から消息を絶っていた10代のユダヤ人少年3人の遺体が30日、へブロン北部で発見された。イスラエル兵数千人が、事件後行方不明となっているイスラム原理主義組織ハマスの関係者2人を捜索している。イスラエルのネタニヤフ首相は同日夜、緊急の閣議を開催し「ハマスは報いを受ける」と述べた。
イスラエルのテレビ「チャンネル2」は治安当局筋の話として、3人はヒッチハイクで乗った車で射殺され、行方が分からなくなっているハマス関係者の一族が所有する土地に遺棄されていたと伝えた。へブロン一帯は封鎖され、パレスチナ人数百人とイスラエル軍が各地で衝突した。
パレスチナ自治政府とハマスは暫定統一政府を樹立したばかり。ハマスは一貫して事件への関与を否定しているが、ネタニヤフ首相はパレスチナのアッバス議長に統一政府を断念するよう要請してきた。イスラエルの報復内容次第ではパレスチナとの緊張が高まり、衝突が拡大する可能性もある。アッバス議長は30日夜、臨時幹部会を開催。米欧各国にも、イスラエルの報復を抑止するよう支援を求めたという。
死亡した3人は同じ宗教学校に通っていた。その一人、ナフタリ・フレンケルさん(16)は米国市民で、ホワイトハウスは30日、「無実の若者へのテロ行為」とするオバマ米大統領の非難声明を発表した。