LINE:先生は高校生 実態を教職員に講義 姫路

毎日新聞 2014年07月12日 15時35分(最終更新 07月12日 15時54分)

え・よこたしぎ
え・よこたしぎ

 無料通信アプリ「LINE」(ライン)を巡るトラブルが社会問題化する中、高校生が教職員にラインなどの実態を教える「講義」が兵庫県姫路市の県立姫路別所高校で開かれた。生徒会側が「理解した上で指導して」と提案し実現。受講した教職員は「3分で100件以上のメッセージが入る」という話に驚く一方、「携帯電話から離れる時間を作る」などの自衛策も知り、「生徒に聞いてみることが大切だと分かった」と話している。

 生徒会が6月に全校生徒約570人のうち約220人と全教職員約40人を対象にアンケートを実施。それによると、生徒の95%がスマホを持っていたが、教師は68%。ラインの使用は生徒が88%に対し、教師は42%と大きな差があった。

 講義は今月7日の放課後、約1時間半にわたって行われた。生徒会役員ら2、3年生5人が、教職員約40人を前にスマホ画面を大型テレビに映し、ラインで「明日、テストどーする」「有料スタンプいいな」などの言葉を打ち込んで実演。「メッセージを誤って別の人に送ってもめた」「悪口を書かれ、傷ついた友人がいる」などのトラブルも紹介した。

 教師が「依存しないような、自分の中のルールは」と聞くと、生徒は「時間を決めて、携帯から離れるようにしている」と回答。「メールとラインの違いは」との問いには「ラインだと、早かったら10秒くらいで返事が来る。3分でメッセージが100件たまることもあります」と答え、教職員の間から「えー」というどよめきが起きる場面も。

 また参加していた三宅昭夫校長の「メッセージは何ですぐ返さなあかんの」との素朴な疑問には、生徒が「早く返さな、無視されたって勘違いされるんですよ」と苦笑しながら即行で答えた。受講した大内雅勝教諭(49)は「どういう物か分からないのでラインは避けてきた話題だが、今後は生徒との会話で積極的に取り上げたい」と話す。

 アドバイザーとして講義に出席した兵庫県立大環境人間学部の竹内和雄准教授(生徒指導論)は「実態を一番よく知っている生徒たちから学ぶことは大切で、今回の取り組みは画期的だ」と評価している。

最新写真特集