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 イスラエルの占領下にあるゴラン高原で、シリア側からの砲弾攻撃に対しイスラエル軍がシリア軍の拠点を空爆したことについて、シリア外務省は23日、主権を侵害していると非難する声明を発表し、国連に対応を求める書簡を送付した。

 声明によると、空爆により4人が死亡、9人が負傷し、軍の装備も多大な損害を受けたという。事態の発端は22日、境界フェンス沿いを走行していたイスラエル軍の契約業者の車両に砲弾が直撃し、10代の少年1人が死亡、2人が負傷したことだった。シリア側が意図的に攻撃したとみたイスラエル軍は23日未明、報復のために空爆。緊張が高まっている。

 ゴラン高原では国連軍が両国の停戦監視にあたっているが、シリア側でアサド政権軍と反体制派の戦闘が続いており、イスラエル側への砲弾の着弾が相次いでいる。(エルサレム=山尾有紀恵)