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 イスラエル軍は23日未明、イスラエルの占領下にあるゴラン高原でシリア側からの砲弾攻撃で10代のイスラエル人少年ら3人が死傷した報復として、同高原のシリア側にあるシリア軍の司令部など9カ所をミサイルなどで空爆した。

 イスラエル軍によると、軍の契約業者の車両が22日に境界フェンス沿いを走行していた際に意図的に攻撃され、少年が死亡。2人が負傷した。シリアのアサド政権の軍と反体制派のどちらによる攻撃かは断定していない。シリア内戦の発生以降、シリアからの砲撃でイスラエル側の市民が死亡するのは初めて。

 同高原のシリア側では、政権軍と反体制派の戦闘が続いており、イスラエル占領地側への砲弾の着弾が相次いでいる。イスラエルは、アルカイダ系武装勢力の活動も活発になっているとみて警戒している。ゴラン高原での国連平和維持活動(PKO)に派遣されてきた自衛隊は、昨年1月に撤退を完了している。(エルサレム=山尾有紀恵)