エルサレム=山尾有紀恵
2014年6月17日01時24分
イスラエルの占領下にあるヨルダン川西岸パレスチナ自治区近郊で10代のイスラエル人少年3人が誘拐された事件で、イスラエルのネタニヤフ首相は16日、自治政府のアッバス議長と電話協議し、少年らの捜索への協力を求めた。4月末に和平交渉が中断して以降、両首脳の協議は初めて。
ネタニヤフ氏は、「誘拐者は自治区から来て自治区へ戻った」と指摘。アッバス氏が今月初旬の暫定統一政府発足で協力したイスラム組織ハマスが少年らを誘拐したとして、「ハマスとの協力は、イスラエル、パレスチナ、地域にとって有害だ」と述べ、関係を断つよう求めた。
米国のケリー国務長官も15日、「ハマスが関与した疑いが濃厚だ」との声明を発表し、ハマスをテロ組織とみなすとの考えを改めて示した。ハマスは事件への関与を認めていない。
イスラエル軍は16日までに、誘拐に関与した疑いでハマス幹部を含むパレスチナ人約150人を逮捕。自治区ラマラでの捜索中には、20代のパレスチナ人男性が同軍の銃撃を受けて死亡した。自治政府は、同軍の作戦の手荒さを糾弾する一方、少年らの誘拐を非難する声明を発表した。(エルサレム=山尾有紀恵)
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朝日新聞国際報道部
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