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国際
【佐藤優の地球を斬る】“ならず者”アサド氏再選を歓迎するイスラエル
「手の内が読める敵」
ところで、公然とは述べないが、イスラエルもアサド氏再選を歓迎している。シリアはイスラエルの力を熟知している。アサド大統領は、口先でいくらイスラエルを罵(ののし)っても、攻撃を仕掛けることはない。そのときは、イスラエルのミサイルが首都ダマスカスを含む、アサド政権の支配地域に打ち込まれ、文字通りアサド政権が消滅することをわかっているからだ。アサド政権が実効支配できているのは、首都周辺と出身地のシリア北西部に過ぎない。しかし、脆(ぜい)弱(じゃく)な反体制派がアサド政権を倒すと、シリアは誰も統治できていない無法地域になり、そこがアルカーイダの拠点になる。それよりは、「手の内が読める敵」のアサド政権が存続した方がましとイスラエルは考えている。(作家、元外務省主任分析官)
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