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国際
【佐藤優の地球を斬る】“ならず者”アサド氏再選を歓迎するイスラエル
<投票は政権側の支配地域を中心に行われ、国営メディアによると、登録有権者約1580万人のうち約1160万人が投票した。国外に逃れている270万人以上の避難民の大部分は、棄権するか投票できなかったとみられる>(MSN産経ニュース)
アサド政権は、シリアの全域を実効支配することができていない。国際法上の国家承認の要件は、当該国家の全領域を実効支配できていることと、当該国家が国際法を順守する意思を有していることだ。アサド政権は、自国民に対して毒ガスを使用するという国際法に違反する行為を平気で行う。現在のシリアは、国土全域の実効支配もできず、国際法も破る「ならず者国家」もしくは「破綻国家」である。従って、米国、EU(欧州連合)、日本などがこの選挙結果を認めないのは、当然のことだ。
しかし、アサド体制を覆すことを意図する国もない。従って、自国民に対して毒ガスを用いるようなアサド政権が今後も続くことになる。
もっともアサド氏の再選を歓迎している国もある。その筆頭がイランだ。<ローハーニー大統領は8日日曜に、アサド大統領にお祝いのメッセージを寄せ、「シリア大統領選挙が成功裏に実施されたことは、同国の国民が政治の舞台や国家の将来を決定する場に参加しようという、強い意思を有していることを物語っている」としました。(中略)ローハーニー大統領は、このメッセージの中でさらに、「間違いなく、シリア大統領の勇敢さにより、シリアは危機を、無事に切り抜けるだろう」としました>(6月9日「イランラジオ」)
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