赤井陽介、半田尚子 水戸部六美
2014年7月12日08時55分
多数の日帰り出張、大量の切手まとめ買い……。政務活動費をめぐる数々の不自然な支出を最後まで明確に説明せずに、野々村竜太郎・兵庫県議が議員辞職した。県議会は自浄能力を発揮しないまま幕引きを図り、実態解明を捜査機関に委ねた。
「県議会の調査は本日をもって打ち切る」。11日、神戸市中央区の県議会庁舎。野々村氏への刑事告発を決めた県議会各会派代表者会議の後、松本隆弘副議長は会見の冒頭で、手元の資料を淡々と読み上げた。
だが、野々村氏に議員辞職を勧告した7日の代表者会議では、刑事告発を求める声は大勢ではなかった。事務局側にも「静かな環境さえ整えば、きちんと説明してもらえるのでは」(善部修事務局長)との期待感があった。そのため、報道機関に悟られぬよう野々村氏からの聞き取り調査の日時を決め、場所も県議会から300メートルほど離れた施設の一室が選ばれた。
しかし9、11両日、計約3時間にわたる聞き取り調査にも野々村氏から具体的な説明はなく、JRや金券ショップからの情報提供も得られなかった。
野党会派の一部からは、証人の出頭や資料を求められるなどの強制力がある百条委員会を設置し、議会として独自に追及すべきだとの声もあった。しかし、事務局は4千件超の「聞いたことがない規模」(県広聴室)の抗議に「電話対応で忙殺されていた」(職員)。
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