では、流れ図のいろいろと具体例を・・・の前に、流れ図(フローチャート)の描き方を簡単にご紹介しておきます。
流れ図を描くには、昔は(いまもそういうスタイルの方もいらっしゃるかと思いますが、ご容赦ください)、製図用シャープペンシル(0.3mmの芯のやつ)、細かく消せる砂消しゴムのようなもの、ぺらっぺらの方眼紙、テンプレート定規などを用いました。
今では、もちろんパソコンで書くようになってきています。
流れ図を書くための、専門的なソフトウェアもいくつか用意されています。
が、さくさくっと流れ図を書くのには、Excel で十分です。
Excelで流れ図を各方法について、簡単にご紹介しましょう。
まず、Excelを方眼紙として使うことをご想像ください。
そうです。ひとつひとつのセルを、そうですね。5mm×5mmくらいのの方眼とするのが使いやすいでしょう。
厳密には、5mmではないのですが、おおむね 20ピクセル〜21ピクセルのセルを作るのがいいでしょう。
#21ピクセルだと、印刷したときにかなり5mmに近くなります。なんとなく21ピクセルの端数感覚がイヤなかたは、20ピクセルにしても差し支えないでしょう。
(1) シートの全体を選択するために、矢印の箇所をクリックします。
(2) すると、全体が選択されます。
(3) AとBの間の線をドラッグし、21ピクセルになるよう調整します。
(4) すると、すべてのセルの横幅が、21ピクセルになります。
(5) 次は、高さを調整します。1と2の間の線をドラッグして21ピクセルに調整します。
(6) はい、これで 高さ(縦)幅(横)21ピクセル(約5mm)の方眼紙のようなエクセルシートが完成しました。
(7) 次に「オートシェイプ」というものをつかっていくのですが、その「オートシェイプ」が方眼紙にぴったりと吸い付くような設定を行います。
左下の[オートシェイプの調整]→[位置合わせ]→[グリッド]を選びます。
(8) この[グリッド]という表示は、On/Offの切り替えになっています。アイコンの表示が、下のように、押されたような状態になっていることを確認してください。
(9) さて、いよいよなにかオートシェイプをおいてみましょう。オートシェイプの意味は、またおいおい紹介していきますが、とりあえず [オートシェイプ]→[フローチャート]→[処理]をえらんでください。
(10) その後、シートの適当なところにドラッグしてみてください。四角い箱が描かれます。そして、(7)の[位置合わせ]→[グリッド]が正しく設定できていたら、方眼のマス目にそろうようなかたちで、箱が描かれます。うまくいかなかったかたは、(7)(8)の手順を見直してください。
(11) では、ここになにか書き込んでみましょう。この四角い箱「処理のオートシェイプ」を右クリックするとポップアップメニューが表示されますので、[テキストの追加]を選んでください。
(12) ためしに「風が吹く」と入力してみます。
(13) テキストが左上に表示されました。真ん中に表示されたほうが、きれいにみえるので、テキストを真ん中にしてみましょう。箱の上を右クリックして[オートシェイプの書式設定]を選んでください。
(14) オートシェイプの書式設定ダイアログが開きます。
※このとき「テキスト編集モード」だと、うまく「書式設定のダイアログ」が開かない場合があります。[フォント]タブしか表示されていないようでしたら、やり直してみてください。
フォントはやや小さいほうが、収まりがよいため、9ポイントに設定してみましょう。
(15) つづけて[配置]を選び、文字の配置で、横位置も縦位置も、中央揃えを選んで、OKをクリックしましょう。
(16) 「風が吹く」の文字がひとまわり小さくなって、中央揃えで表示されます。
(17) さて、つぎの処理を追加します。「風が吹く」の箱を選んで、コピー&ペーストしましょう。
(18) テキストを、「埃が舞う」に変えてみてください。
(19) この2つの箱をつなぎます。[オートシェイプ]→[コネクタ]→[直線コネクタ]を選んでください。
(20) 上の箱から下の箱に、ドラッグします。すると・・・
(21) 上下の箱をつなぐような線が描けます。
画面をキャプチャして、貼り付けて・・・で、21ステップにもなってしまいました。
まだ、流れ図とよぶには、程遠いですが、Excelで流れ図を作る方法は・・・
[オートシェイプ]→[フローチャート]から、適切な記号を選んで、方眼紙の上におき、テキストを追加して、それらをコネクタでつなぐ。
概ねこの手順の繰り返しとなります。
ちょっとだらだらとした感じの説明になりましたが、ご想像いただけましたでしょうか?
今回ご紹介した、Excelを方眼紙っぽく使う方法は、実は、技術者仲間の間では、好き嫌いが激しく分かれるところだったりします。
表計算ソフトは、表計算するためにあるのだ。それが美しい使い方であって、図面を描くために作られたソフトではない。
データ(流れ図の意味する本質を構成する要素)と見た目(レイアウト)は、システムを生業にしている技術者としては、分離して扱うべきだ。
Excelで書いてしまうと情報として処理するなどの応用力に欠けてしまう・・・云々・・・いろいろその道やこだわりには深いなにかがあるようです。
Excelを方眼紙に使うと、定規とシャーペンで紙に書くよりも、きれいに図面を作ることができますし、もちろん修正もしやすいです。
ですから、流れ図に限らず、オフィスの間取り図を書くときや、ちょっとした地図を描くときなどに、使ってみられてはいかがでしょうか。
☆今回つかった、便利なツール。「FastStone Caputure」
画面イメージを GIF画像にするのにとっても便利なツール。
たとえば、ブラウザでたてになが〜い画面を、「一気にスクロールしながらキャプチャする」という機能がついていて、とっても便利です。
http://www.forest.impress.co.jp/article/2006/10/02/fscapture.html