地震:東北で津波20センチ観測 877人避難、震度4

毎日新聞 2014年07月12日 11時23分(最終更新 07月12日 12時49分)

津波注意報が発表された地域
津波注意報が発表された地域

 12日午前4時22分ごろ、宮城、福島、茨城、栃木の4県で震度4を観測する地震があった。気象庁は同4時26分に岩手、宮城、福島の3県の沿岸に津波注意報を発表。岩手、宮城両県の自治体が計2万6637人を対象に避難勧告を出した。福島県の自主避難を含め避難者は877人。沿岸では最大20センチの津波を観測した。津波注意報の発表と津波到達はいずれも、今年4月のチリ北部沖地震以来。

 地震で、福島市の60代女性が自宅階段から転落し、右足首を骨折し重傷。福島県で他に2人の女性が軽傷を負った。

 気象庁によると、震源は福島県いわき市の東約140キロの海底で、深さ約10キロ。地震の規模を示すマグニチュードは6.8と推定される。気象庁は東日本大震災の余震とみている。

 津波の第1波は午前5時過ぎに観測され、その後岩手県大船渡市と宮城県石巻市鮎川で最大20センチ、岩手県久慈市と福島県相馬市で最大10センチを観測した。注意報は午前6時15分に解除された。

 避難勧告は、岩手県で釜石市が5707世帯1万1895人、山田町が1966世帯3938人、大船渡市が1372世帯3475人などに出した。宮城県では東松島市が588世帯1634人を対象に勧告した。避難者は岩手県で10自治体711人▽宮城県で6自治体105人▽福島県で3自治体61人−−だった。【狩野智彦、武内亮】

 主な各地の震度は次の通り。

 震度4=宮城県岩沼市、川崎町、丸森町、福島県郡山市、川俣町、天栄村、田村市、いわき市、猪苗代町、会津美里町、茨城県常陸太田市、栃木県大田原市、市貝町、高根沢町

 ◇余震の警戒必要

 気象庁によると、東日本大震災の余震で、マグニチュード(M)7程度が起きたのは昨年10月のM7.1以来、9カ月ぶり。海底の地盤が東西に引っ張られる「正断層型」の地震で、陸と海のプレート(岩板)境界付近で起き、海面が押し上げられて津波が発生したとみられる。

 記者会見で吉田康宏・地震情報企画官は「この地域での余震は減少しており、再び活発化しているわけではない」と述べた。ただし、2004年のインドネシア・スマトラ島沖地震(M9.1)でも本震から7年後に大きな余震(M8.6)が起きたことを挙げ、「余震が収まっているわけではない。津波を伴う地震に引き続き警戒を」と呼びかけた。【千葉紀和】

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