バイラルメディアはゴミじゃねぇんだよ
※松村淳平くんの話題の記事「会社は学校じゃねぇんだよ」に乗っかりながらも文体を全く踏襲していない点、ご容赦ください。
僕は今、Spotlightというバイラルメディアを運営しています。先月まではプロデュースという名目で開発と編集を両方見ていましたが、今月から体制が厚くなり、これからは編集に集中させてもらえることになりました。未経験の領域ですが、自らのスキルの幅を広げるチャンスだと思って頑張っています。
ところで、巷では「バイラルメディアはゴミだ」「バイラルメディアはすぐ終わる」などと言われていることが多いようです。
先に結論を言うと、僕はそんなことは絶対にないと思っています。
- バイラルメディアとは?
まずはじめに、「バイラルメディアとは何か」というところから整理したいのですが、僕個人としてはこの定義は簡単だと思っています。
「FacebookやTwitterなどのソーシャルメディアからの流入がトラフィックの中心になっているメディア」
これだけです。記事が画像や動画の引用で構成されているだとか、おもしろ系・感動系のコンテンツが中心みたいな話は関係ありません(そういうバイラルメディアもあるというだけ)。例えば、Spotlightではコラム(意見記事)も配信していますが、実際この記事群はよく拡散されています。
- バイラルメディアは価値がない?
上記の定儀に従えば、バイラルメディアは基本的にみんながいいね!やシェア、ツイートなどをする記事が多いメディアということになります。
なぜこのメディアに価値がないのでしょうか?むしろ僕は、このシェア数というのはメディアの質を測るのにPVよりも適切な指標だと考えています。PVが作れる釣りコンテンツでも、なかなかシェアには繋がりません。
- バイラルメディアはすぐ終わる?
「バイラルメディアはすぐ終わる」という声もよく聞きますが、よくよく考えるとその論理もよく分かりません。
確かにFacebookのロジックは頻繁に変わりますし、広告出稿しないとリーチが伸びないとかいう話はありますが、彼らの基本方針として「良質なコンテンツを然るべき人に届ける」というコンセプトは変わらないと思っています。また、たとえ今後Facebookが衰退したとしても、バイラルにコンテンツが広がっていくような共有体験自体が無くなることはないと思うので、その主戦場が次のSNSに移るだけです。
こう考えると、どのようなシナリオでバイラルメディアが終わるのかが具体的によく分かりません。燃え上がり方が似ていることからグルーポン系のビジネスと比較されることもありますが、それもただの感覚でしかないと思っています。フラッシュマーケティングは、ビジネスモデル自体が成立していなかった(クライアントにメリットを生み出せなくなった)から衰退しただけです。
- バイラルメディアの価値とは?
僕も以前は、動画にタイトルだけつけて本文もないdropoutのようなメディアに何の価値があるのかと思っていました。しかし、自分でバイラルメディアを運営してみて考え方が変わりました。
ディティールの話になってしまいますが、例えばBLOGOSの鈴木宗男議員の記事は、記事タイトルがその記事を配信した日付になっています。FacebookやTwitterのユーザーは、日々フィードやタイムラインで大量の情報を処理していますので、その中に「5月30日(金)ムネオ日記」というタイトルの記事が流れてきても、おそらくほとんど見る気になりません。いくら記事の内容に魅力があったとしてもです。タイトル1つでコンテンツの広がり方は大きく変わるのです。
また、以下のキャプチャはYouTubeの動画ページのUIですが、
この動画を見て感動したユーザーは、どうやってこの動画をシェアすればいいのでしょうか?かなり分かりにくいですよね。
一方で、ご存知の通りバイラルメディアの記事のUIは以下のようになっています。これなら心が動いたその瞬間に迷わずシェアできると思います。
何が言いたかったというと、バイラルメディアの表現力や仕組みをもってすれば、「価値があるのに埋もれてしまっているコンテンツ」を大きく広めることができるということです。Spotlightは「発掘メディア」というコンセプトをもって運営していますが、実際に取り上げたコンテンツ主の方に喜んでいただけることも多いです。
また、運営を続けていくことでメディアが「バイラル体質」になり、同じ記事を配信してもバイラルメディアに出す方がコンテンツが拡散するという流れができてくる実感もあります。こうなれば収益エンジンとしてのメディアの価値もより一層高くなります。
- パクリ問題について
これがバイラルメディアが最もバッシングを受けやすい理由だと思うのですが、確かに今日本にあるバイラルメディアは良質なコンテンツに一斉に集(たか)る傾向がありますし、パクリに近いような記事を見ることも多いです。この点に関しては僕自身も好意的に感じておらず、Spotlightのメディア運営にはその気持ちを反映させているつもりです。
ただし、例えばメディアAがある動画を紹介した記事を書いて10万シェアを獲得した後に、それを見たメディアBが同じ動画を記事にして5万シェアを獲得したとしましょう。この時、メディアBは必ずしも悪と言えるのでしょうか?メディアBが5万シェアを獲得できたのは、おそらくメディアAとは違うユーザー層にアプローチすることができたからです。メディアBが存在していなければ、その動画を知ることができかった人がたくさんいたはずです。ですので、一概にパクリだから存在意義がないのかと言われると、必ずしもそうではないというのが僕の見解です。(パクられてバズってしまうと悔しいことこの上ないですが…)
ということで、僕はたぶん皆さんが思っているより純粋にバイラルメディアには価値があると信じています。引き続き信念を持って頑張りますので、これからのSpotlightにご期待ください!
▶Spotlight(スポットライト)- 話題を生み出す発掘メディア
【宣伝】7/15(火)20時〜、こちらのイベントに出ます。
▶これから来る!?キュレーションメディアサミット