東浩紀は、小保方事件とソーカル事件を並べて、こんなことを言っていた。

ぼくは1993年に大学院入学だったので、1994年のソーカル事件の余波にはずっと苦しめられてきた。現代人文思想への入口がソーカル事件になってしまい、無知なひとからも最初から嘲笑されるようになった。うんざりすることの連続だったけど、今後の再生医学界隈でも同じことは起こるかもね。
posted at 17:08:03

小保方事件とソーカル事件を比べるのは内容的には無理だと思うが、ソーカル事件のあと無関係な思想家も一気に信用を失い、人文disが一般化したことを思えば(いわゆる風評被害ですな)、今回の事件も同様のインパクトを与える可能性はある。http://tocana.jp/2014/03/post_308.html…
posted at 17:05:59


東浩紀が「よろず評論家」になったのは、ソーカル事件が大きな原因である。
フランス現代思想、特にジャック・ラカンがデタラメであると暴露されたことは致命的であった。

ソーカル事件とは、1994年にソーカルというニューヨーク大学物理学教授が、フランス現代思想に絡めた数学と物理を使ったデタラメ論文を作成し、最も人気のある哲学誌に投稿してみたところ、それが掲載されてしまったのである。
さらに1997年に「知の欺瞞」を出版し、ジャック・ラカンその他の数学や科学への理解がデタラメであると論じ立てた。
ニューヨーク大学物理学教授が文系の数学・物理の無知を晒し上げたのだから、ぐうの音も出ない状態にされたのだ。

日本でフランス現代思想が流行ったのは浅田彰という人物のせいである。
ジャック・ラカンを絶賛した「構造と力」が売れて時代の寵児となり、なぜか京都大学経済学部准教授になった。
現在は浅田は京都大学を退官しているのだが、何にせよ、ジャック・ラカンを絶賛していた段階で浅田彰の数学音痴は明らかで、経済学で何ら実績を残せなかったのも納得である。
東浩紀はフランス現代思想にかぶれており、浅田彰を師匠としていた。

ジャック・ラカンと小保方は捏造という点では共通なのである。
もちろんラカンを擁護する人はいて「数学をちょっと間違えただけで、ラカンの天才性に疑いはない」という意見もあるが、そもそもラカンの文章自体が理解不能なので、数学がデタラメなら、あの意味不明な文章もデタラメだと判断するのが自然である。

歴史上最高の哲学者はハイデガーであり、「存在と時間」は極めて明晰な文章で書かれている。
ハイデガーは文系として、自らの天才的な洞察力だけで世界と存在について語っているから、ここには捏造のありようがない。
少なくとも文章が明晰だから批判可能である。
誰も理解できないので批判さえ出来ないジャック・ラカンとは対極である。
ラカンは密教の教典として機能していたとも言えるが、ソーカル事件でデタラメが暴かれたので終わった。

そういう事情で、東浩紀は学者としては挫折したのである。
そして哲学青年に向けて「アニメを見よ」と告げたのだ。
「本を読め」とは言えなかったのである。
ソーカル事件がなければ、フランス現代思想という密教の理解者としてシャーマンのように振る舞えたのだが、青春のすべてを錬金術の研究に捧げたようなものであり、詰め込んだ知識が全部無駄になったので、アニメを見て過ごす人生になった。







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