世界中から優秀な人を――。スマートフォン(スマホ)や自動車向け電子部品メーカー、アルプス電気は外国人の新卒採用を始めて今年で25年目を迎えた。現在、産業界では外国人が日本企業に入っても「3年以上勤める人は半数」といわれ、定着が大きな課題となっている。アルプスは長い歴史のなかで「マッチング期間」「特別扱いせず」など独自の哲学を確立し、グローバル人材を活用している。
■増える本社採用の外国人基幹社員
「世界的な電子部品メーカーで技術を学ぶことができて、とても勉強になっている」。チェコ出身のヤン・ザぺツァはやりがいを感じている。アルプスの仙台市の拠点で電子部品設計に携わるザペツァは2012年、大学を卒業後、日本に来た。訪日経験はなく、日本語は話せない。それでも2年間の育成プログラムを経て、「上司や同僚は親切に助けてくれる。日本で過ごすのは快適」と話すまでになった。
アルプスは世界14カ国46拠点で事業を展開し、海外売上高比率は約8割に達する。従業員約3万8千人のうち日本人は約6千人にすぎない。大半が現地採用の社員だが、ザペツァのように東京本社の採用となり、基幹社員として働く外国人も増えている。
外国人の採用を始めたのは1989年にさかのぼる。前年にアイルランドに進出しており、友好関係を構築する目的で研修プログラムを組んだのがきっかけだった。現地大学を卒業した技術者を日本に招き、2年間の研修を実施した。2005年からこの研修の名を「インターナショナル・アソシエイト・プログラム(IAP)」に改め、外国人採用に本腰を入れ始めた。
外国人を重視したのは海外事業の急拡大が背景にある。自動車や通信機器メーカーのグローバル展開とともに海外事業の重要性が高まった。創業者の片岡勝太郎は「現地に根を生やした会社になろう」と説き、海外拠点の拡大には外国人の活用が不可欠とした。
「理系の日本人学生の採用が思うようにいかなかった」(人事部マネージャーの内山光美)ことも大きかった。企業向けビジネスを手がけるアルプスの知名度は、学生たちにとって相対的に高いとはいえない。国内だけではなかなか優秀な人材を集めきれていなかった。「グローバル人材」が話題になるずっと前から、採用先を海外に広げていた。
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