アングル:終わりの見えない中国の汚職捜査、経済への悪影響も
中国では政策の実施そのものが問題となることが多く、地方政府の影響力低下や歳入減につながる政策も反対に直面しがちだ。政府の介入度合いを低下させる中で重要な役割を市場の力に委ねる方針を習主席が打ち出して以降、これが主要な争点となっている。
汚職撲滅が経済に打撃を与えたことを示すデータはないが、 華創証券の推計によると、ぜいたく禁止運動の影響で昨年の経済成長率は0.4%ポイント押し下げられた。
共産党の汚職監視機関は3月、昨年の政府高官の接待費は前年比で53%減、海外出張費は39%減だったと発表した。ぜいたく禁止運動に対し、高級酒や高級時計、高級車メーカーのほか、一流ホテルチェーンが不安を強めている。
北京のある公務員は最近、資産の詳細だけではなく、海外に居住していないかどうかを確認するために子どもや近親者の住所を書類に記入するよう求められた。
習主席のキャンペーンは配偶者や子が海外在住の「裸官」と呼ばれる公務員を標的にしている。これらの政府高官は人脈を利用して違法に資産を移転する場合があるからだ。
この公務員は「恐怖と不安の雰囲気に包まれている。誰も目立つことはしたがらない。このため役所周辺では現在、ほとんど物事が進んでいない」と話した。
国営新華社通信が6月30日に報じたところによると、州政府と省庁レベルまたはそれ以上の約30人の高官が汚職関連の捜査を受けている。
一部の関係者はこれが委縮効果を招いており、注目されないように早期退職を考えている高官もいるという。 続く...