口から食べる幸せを守る会 理事長 小山珠美 |
口から食べることは生命を育む根幹であり、人間が幸せに生きるための基本的な権利です。しかし、現況の医療や福祉の現場では、口から食べたい願いが叶わず、点滴や胃ろう栄養のみという方々が大勢いらっしゃいます。この現状をなんとかしたいという思いで、看護師として実務や啓発活動を行ってきましたが、救いの手を求めている患者さんやご家族への支援がまだまだ足りません。そこで、NPO法人「口から食べる幸せを守る会」を有志で立ち上げ、直接的な医療活動を継続していくだけでなく、幅広く社会貢献したいという考えに至りました。私たちは、口から食べることの大切さについての普及・啓発活動に加えて、よりクオリティーの高い食支援ができる人材育成を図ります。そして、保健・医療・福祉関係者、当事者・ご家族、行政、一般企業の方々と有機的なネットワーク構築を拡充し、「口から食べて幸せに暮らせる優しい社会」になるよう力を注ぎたいと考えています。 |
口から食べる幸せを守る会 副理事長 安西秀聡 |
消化器内科医として患者さんを診察・治療するなかで、食事を制限されてしまう方々と数多く接してきました。そのなかで、病気が軽快し、口から食物を摂れるようになった時の「美味しい」という満面の笑みが私の「口から食べる」活動の原点です。医療現場で「口から食べる」という「希望」を少しでも早く叶えられるということは、病気の克服に加えて、人間としての生き甲斐までをも取り戻し、生活の質を大きく上げることになるからです。しかし、昨今の医療・福祉の現場では、病状がさほど深刻でなくとも、食事や行動に関する制限が厳しすぎる現状があります。多くが納得しがちな「人手不足」という理由を盾に主流になってしまっている、点滴や胃ろうのみでの栄養を強いていないでしょうか?NPO法人「口から食べる幸せを守る会」は、患者さん、そのご家族、関係者の皆様と一緒に、「口から食べる」という「希望」を一日も早く取り戻し、当たり前に食べ続けられる幸福な社会を目指したいと考えています。 |