普天間移設先の内陸部に施設計画 30棟以上 公表せず 2008年の米政府文書
沖縄県名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ=6月28日、共同通信社ヘリから |
かつて日米交渉に携わり、計画図案を見た米国防総省関係者は「6年前の草案だが、今後基本的にこの線に沿って建設事業が進むだろう」と述べた。専門家は「機能強化された巨大基地の姿がうかがえる」( 我部政明 (がべ・まさあき) 琉球大教授)と分析しており、地元が懸念する基地機能拡大の可能性を示す内容だ。
名護市の 稲嶺進 (いなみね・すすむ) 市長は内陸部の建設計画について「聞いたことがない」と言明した。
米国防総省関係者によると、米側は防衛省と事業者の沖縄防衛局に対し、地元に全体像を説明するよう早くから求めてきたが実現していない。米政府内に「透明性の観点から日本側の対応は問題」との声もあるという。
計画図案には、辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸部の埋め立て地にV字形滑走路や駐機場、格納庫、燃料施設、弾薬搭載エリアなどがあり、この点は既に公表されている。
しかし計画図案は、キャンプ・シュワブに通じる国道329号の内陸側の森林地帯に新設される多数の軍関連施設を明記。水源である辺野古ダム貯水池の周辺に兵員宿舎、運動場などが描かれている。
この森林地帯はキャンプ・シュワブの一角で、米軍が演習などに使用している。日本政府のこれまでの説明では移設事業のための「埋め立て土砂の採取区域」とされており、施設の建設予定地にはなっていない。
共同通信の書面での質問に対し、防衛省は11日夜、計画図案について「承知していない」と回答した。(共同=太田昌克)
(共同通信)
2014/07/12 13:30
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