2014年7月12日02時54分
通信教育大手のベネッセホールディングス(HD)の顧客情報が大量に流出した問題で、菅義偉官房長官は11日の記者会見で、企業が保有する顧客名簿などの個人情報が不正に流出した場合、その情報全体を一括して利用できないようにする制度をつくることを検討する考えを示した。「来年の通常国会に提出予定の個人情報保護法改正案の検討課題だ。事件も踏まえ、改正という方向で政府としては考えている」と述べた。
消費者庁によると、現行法でも、自分の情報を違法に取り扱われた人はその情報の利用停止を事業者に申し立てることができる。だが、流出した名簿などを一括して消去できるような制度はない。菅氏は「個人が申し立てをすれば消去できるが全体を消去できるわけではない。今後検討していく必要がある」と語った。
同庁によると、利用停止を求める情報が不正な手段で入手されたものかどうかを判断するのは難しい。学術研究や報道などの「表現の自由」に配慮する必要もあり、どのような規制が可能かは今後の検討課題だ。
政府は6月、個人情報保護法改正に向けた大綱をまとめた。そもそもはインターネット上に蓄積された情報の「ビッグデータ」を企業が活用するためのルール整備が目的で、名簿などの不正流出対策は、被害者による訴訟が乱発されないようにするという企業側の要請にも配慮して「規律を整理する」とされている。
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