[PR]

 東急東横線の元住吉駅(川崎市)で2月、乗客19人が負傷した列車の追突事故で、東急電鉄は11日、レールに塗られた潤滑油が一因で、非常ブレーキが利かなかった可能性があると発表した。事故当時は記録的な大雪で、油がレール脇に積もった雪に混ざり、車輪に押し当てられるブレーキパッドに付着したという。

 同社は車輪との摩擦が強くなる急カーブなどで、車輪がレールに乗り上げて脱線するのを防ぐため、一部の列車につけた自動装置で、レール上部の内側の角に潤滑油を塗っている。しかし事故当時は大雪のため、レールの油が雪に混じり、その雪が車輪に巻き込まれていったとみられる。

 さらにブレーキパッドに付着していたゴミも、ブレーキの能力を低下させた一因と判断した。追突した列車のブレーキパッド付近に、油分を含んだゴミなどが確認されたという。

 同社はすでに、大雪時の制限速度を40~60キロ以下に下げた。今後、降雪期には最低でも10日に1度行う定期検査で、ブレーキパッドに付いたゴミを取り除く。

 事故原因は国土交通省の運輸安全委員会が調査しており、同社はその結果を踏まえ、追加の対策をとる。