中日スポーツ、東京中日スポーツのニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 中日スポーツ > 大リーグ > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【大リーグ】

田中将、右肘炎症はじん帯部分断裂 即外科手術回避も、復帰には最短6週間

2014年7月12日 紙面から

 【クリーブランド穐村賢】ヤンキースのブライアン・キャッシュマンGM(47)は10日(日本時間11日)、右肘の炎症で15日間の故障者リスト(DL)入りした田中将大投手(25)が、右肘内側側副靱帯(じんたい)の部分断裂と診断されたと発表した。外科手術はせず、多血小板血漿(けっしょう)療法(PRP療法)で患部の再生を試みるが、完治には最短でも6週間かかり、戦列復帰は早くても8月下旬。治療がうまくいかなかった場合は通称トミー・ジョン手術と呼ばれる靭帯修復手術を受ける可能性もあるという。

 田中将は9日のDL入り後、地元ニューヨークでの精密検査を経て、その足で学会出席でシアトルに滞在するチームドクターの下に飛んだ。そこで待っていたのは「軽度の右肘靱帯の部分断裂」というまさかの診断結果だった。その他の専門医2人にも診断を求めたが、結果は一緒だった。

 「タナカの右肘靱帯に小さな部分断裂が見つかった。現時点で医師からは手術を勧められてはおらず、6週間のリハビリが必要になる」とこの日のインディアンス戦中に異例ともいえる電話会見を行ったキャッシュマンGM。即手術、今季絶望という最悪のシナリオこそ免れたが、オフに7年総額1億5500万ドル(約158億円)の長期大型契約で獲得し、事実上のエースとしてチームをけん引してきた右腕の突然の離脱に声のトーンも沈みがち。「落胆していることは確かだ」と最後は消え入るような話し声だった。

 今後は治療を行いながら肘を休ませ、断裂した患部の治癒を待つことになるが、予断は許さない。昨季終盤にはメッツの若きエース右腕マット・ハービー(25)が同様の診断を受けて田中将同様の保存療法を選択したが、回復には至らず、最後は手術を決断したという経緯がある。

 手術に踏み切るなら早い方が復帰時期も早まる。ヤ軍が地区優勝争いから脱落するなど今後のチーム状況によっては早い段階で保存療法を打ち切り、肘にメスを入れる可能性も否定できない。同GMも「リハビリなどがうまくいかなければ、手術も選択肢に入ってくる」との見通しを示した。ジラルディ監督の「事がうまくいくことを祈っている。彼は戻ってくると思う」も希望的観測でしかなかった。

 仮に手術を受ければ、戦列復帰には1年〜1年半かかる。戦力として再び計算できるようになるには2016年を待たなければならない。

 春季キャンプからバッテリーを組んできたマキャン捕手や主将のジーター遊撃手は「リハビリを経て、強くなって戻ってきてほしい」と声をそろえるが、こればかりは経過を見るしかない。いずれにしても投手生命に関わる問題。拙速は許されない。

 

この記事を印刷する

PR情報

おすすめサイト

ads by adingo




中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ