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 運営者の賃料滞納で2月に閉場した名古屋市で唯一の常設寄席、大須演芸場(中区)の再開が来年以降にずれこむことになった。年内再開を目指し今夏、耐震補強に着工する予定だったが、資金調達のめどがたたない。関係者は運営方針を示せず、地元商店街との連携の機運も高まらない。

 8日、大須演芸場の建物を所有する舞台装置会社、エイチ・エス・ステージワークスの土井信策社長(64)と代理人の異相武憲弁護士(63)が、市内で報道各社らと意見交換した。再開へどう道筋をつけるか、「知恵を借りたい」(土井氏)という趣旨だった。

 想像以上に老朽化していた建物の耐震補強などで、工費は3千万~4千万円と説明。土井氏が約2千万円を負担するが、残りのめどが立たないという。寄席の新たな運営主体についても、異相氏は「複数の候補と会ったが、任せるには至っていない」と明かした。